ふるさとへの便り
情操教育に情熱注ぐ
スリランカ

2019年03月14日 10:19

教師対象のワークショップの様子=スリランカ

教師対象のワークショップの様子=スリランカ

 「アーユボーワン(=シンハラ語で、こんにちは)」。私はスリランカの西部に位置するコロンボ県で青年海外協力隊の幼児教育隊員として活動しています。スリランカでの生活も残りわずかになり、一日がとても短く感じられます。

 コロンボ県にある幼稚園を巡回し、幼児への直接指導を通して現地の先生方に情操教育の大切さを伝えるとともに衛生指導を主に活動してきましたが、任期後半は幼稚園の教員免許を取るコースで勉強している学生や、先生を対象としたワークショップも行ってきました。情操教育がなぜ大切なのかを、子どもの立場になって考えることができるように実技講習をしたり、現場で使える保育教材作りをしたりと実践につなぐことができるワークショップを実施しています。幼稚園でワークブック(文字指導)が重視されている中、子どもたちの社会性や創造性などを高めるために少しでも遊びの時間が増えればと願っていますが、難しさを感じる日々です。

 単に「遊び」といっても、自由に遊ばせるだけではありません。先生は子どもたちの日々の様子から興味があるもの、発達の段階、それに合った遊びの題材を考え、狙いや目標を立てる必要があります。整えられた環境の中で、計画された「遊び」を行うことも時には必要なのです。

 しかし、単純に私が園を巡回することで、いつもと違った活動を考えたり、戸外遊びの時間を多く取ったりしてくださる先生方にはとても感謝しています。少しでも現場に変化をもたらし、新しい風を吹かせることができていると感じるとうれしく、やりがいを感じます。

 最近、配属先があるコロンボ県だけでなく、他の県や市からもワークショップの依頼を受けることが増えてきました。私の話を熱心に聞いてくださる先生方の様子を見て、残り少ない任期ですが最後まで自分のできることを頑張ろうと気が引き締まりました。スリランカの未来を担う子どもたちが、より良い環境で豊かに育つことができるよう願っています。

 伊藤詩乃(いとう・しの)さん 保育教諭として5年間務めた後、2017年7月から青年海外協力隊としてスリランカへ派遣。幼稚園を巡回し情操教育の普及、衛生指導に従事。中津川市出身。


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