ふるさとへの便り
日本食品の普及加速
タイ

2019年04月26日 10:58

多くの買い物客でにぎわう「ドンキモールトンロー」店内=タイ・バンコク市内

多くの買い物客でにぎわう「ドンキモールトンロー」店内=タイ・バンコク市内

 今年2月、タイ・バンコクにドン・キホーテの同国1号店となる「ドンキモールトンロー」がオープンしました。店内には日本ブランドの商品が所狭しと並んでおり、オープンから約2カ月となりますが、連日多くの買い物客が詰め掛けるなど盛況を博しています。店内の商品は果物や肉などの生鮮食品のラインナップが充実しており、食品コーナーでは多くの買い物客でにぎわう光景が見受けられました。

 タイでは、現在日本産食材の需要が非常に高まっています。特に日本の果物や肉はタイ人の間でも人気が高く、ドンキモールトンローでも、食品コーナーには日本人よりもタイ人の買い物客の姿が多く見受けられました。一般的に日本産の商品はタイ産のものよりも高価格となるため、これまでは日本人を中心とした外国人が主な客層となっていましたが、タイ人の所得水準の向上を背景に、客層に変化が現れつつあります。

 タイでは、所得格差・賃金格差を改善するため、政府が労働者の最低賃金の引き上げに積極的に取り組んでおり、段階的に労働者の最低賃金の引き上げが実施されています。直近でも2018年4月に賃金の引き上げが行われるなど、所得水準は上昇基調にあります。これに伴いこれまでは高価であった日本の食材も、多くのタイ人にとって手が届く存在へと変わってきています。また日本政府観光局(JINTO)の統計によれば、18年度の訪日タイ人観光客数は約113万人(前年度比15%増)と順調に増加しています。所得水準の向上に伴い日本旅行が可能な層が拡大し、本場の日本食を体験する機会が増えてきていることも大きな要因だと考えられます。

 市場の拡張に伴い、タイでは今や日本と遜色ないレベルの日本食を食べることができます。ドンキモールトンローのように安くかつ良いものが手に入るようになることで、今後はより一層タイ国内への普及が加速することも期待されます。ドン・キホーテの他にも、昨年11月には高島屋がオープンするなど、これまでは製造拠点の位置付けだったタイの魅力が、消費市場としての魅力へと移り変わってきています。新たに広がるビジネスの可能性について注目するとともに、ビジネスを通じて日・タイ両国の関係がより一層深まることを期待したいと思います。

 吉田昌平(よしだ・しょうへい)さん 十六銀行法人営業部海外サポート室所属。2010年十六銀行入行。名古屋市、愛知県刈谷市、春日井市、可児市内の営業店勤務を経て、18年4月からタイ・カシコン銀行へ派遣。名古屋市出身。


過去の記事