ふるさとへの便り
算数の授業より良く
グアテマラ

2019年06月21日 08:17

小学校で模擬授業を行い、現地の教員に指導法を伝えている様子=グアテマラ

小学校で模擬授業を行い、現地の教員に指導法を伝えている様子=グアテマラ

 「Hola!」。私は中米グアテマラでJICA海外協力隊員として活動しています。皆さん、グアテマラをご存知でしょうか。メキシコの南にある小さな国で、面積は日本の約3分の1です。日本と同じように火山国なので、地震が起こることも多く、また温泉もあります。気候も程よく、「常春の国」と呼ばれています。

 しかし実際には山が多く、人々は高地で暮らしています。私が暮らす町も標高が2千メートル近くあるので、朝晩は冷えることが多いです。主食は、トルティーヤと呼ばれるトウモロコシの粉を練って薄く延ばしたもので、三食必ず食卓に並びます。

 そんなグアテマラは、ユカタン半島で紀元前2000年ごろから発展したといわれているマヤ文明の中心地の一つなのです。マヤ文明最大規模のピラミッドといわれる世界遺産「ティカル遺跡」もあります。また、先住民の割合も中米の中で一番高く、先住民の中には、公用語のスペイン語の他にも、マヤ系言語を話す人も多くいます。学校でもマヤ系言語を学ぶ授業があります。また、先住民の女性には、マヤ文明の頃からの伝統的な手織りの民族衣装を日常的に着用している人も多いです。

 さて、私は今、キチェ県チニケ市の教育事務所に所属しています。教員の算数科指導力向上を目的とした活動をグアテマラ人の同僚と共に行っています。小学校を巡回して、先生たちに算数科の授業の指導・助言をしたり、研修会を開催したりしています。小学生が楽しみながら勉強に進んで取り組んだり、自分の頭で考えて問題を解決したりできるような、子ども主体の算数の授業が提供されるよう、活動に励んでいます。またグアテマラのJICA海外協力隊で算数・数学部会を結成し、教員養成校の学生たちに研修を行ったり、教育省と協議したりする活動もしています。

 異国での生活は、言語も文化も違ったり、停電や断水が起きたりするなど大変なこともあります。それでも、現地の人々の優しさや温かさ、笑顔が私の活動の原動力になっています。

 伊藤汐里(いとう・しおり)さん 美濃加茂市出身。横浜市立小学校勤務を経て、現職教員特別参加制度を利用し、JICA海外協力隊員として2018年7月からグアテマラへ派遣。教育事務所で算数科授業力向上のための指導に携わる。28歳。


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