ふるさとへの便り
人の温かさ触れる旅
ベトナム

2019年06月28日 12:10

統一鉄道の列車から望む峠の風景=ベトナム

統一鉄道の列車から望む峠の風景=ベトナム

 ベトナムの国土は33万平方キロと日本の国土全体から九州を除いた面積に相当する広さで、海に沿って南北に細長いS字形をしています。北部の首都ハノイ市と南部の商都ホーチミン市の間は飛行機なら約2時間で移動できますが、南北に長いベトナムを改めて体感したいと思い、休暇を利用し鉄道で縦断してみました。

 ベトナムの主な旅客鉄道はハノイ市を起点に4路線ありますが、ハノイ市からホーチミン市まで全長1726キロにわたって延びる南北縦貫線は「統一鉄道」と呼ばれ、市民に親しまれています。私が乗車した定期列車SE3は午後7時半にハノイ駅を出発し、翌々日の朝5時すぎにサイゴン駅(ホーチミン市)へ到着する、車中2泊約34時間の鉄道旅でした。

 車窓からの景色は都会、田舎、山、海と次々と変化しそれぞれ印象深いのですが、今回の旅で一番感じたのは見ず知らずの外国人である私に対するベトナムの皆さんの温かさでした。4人一部屋の寝台車に乗車したのですが、北部のフーリ駅から乗車してきた方は中部フエ市出身で、息子は大学で科学を専攻しながら日本語を勉強中とのこと。高山市が昨年、フエ市と友好覚書を締結したことを紹介すると「ぜひ息子と一緒に訪れてみたい」と人懐こい笑顔で語ってくれました。ニンビン駅から同部屋となった旅行中のご夫婦は、車中で果物や地元のお菓子などを親切に振る舞ってくれました。

 ベトナムの国土は大きく北部、中部、南部の三つに分けられます。北部は四季があり、夏は気温35度を超え湿度も80%以上になることがある一方、冬には気温が10~15度程度まで下がります。一方、中部と南部は常夏で雨期と乾期の二つしかありませんが、中部はしばしば台風の通り道となります。

 南北に長いため、ベトナムはこのように地域ごとに気候が違うのですが、それだけでなく人の気質や言葉、さらに商慣習やビジネス環境も異なります。今回の旅でも幾つか南北の違いを感じたのですが、こうした環境のためベトナムに進出する企業はさまざまな点で注意が必要です。現在ベトナムに進出している日系企業は1800社以上あり、ベトナムへの関心は高い状況が続いています。

 OKB大垣共立銀行は2012年にホーチミン市に駐在員事務所を開設し、17年にはハノイ市にコンサルティング現地法人を設立しました。南北2拠点で地域特性に合わせた進出企業のお手伝いをしています。今回の旅を通じて、さらに日本とベトナムの懸け橋となるべく一層精進しなければと決意を新たにしました。

 伊藤健太郎(いとう・けんたろう)さん OKBコンサルティングベトナム社長。1997年入社、2011年よりベトナム赴任、12年より大垣共立銀行ホーチミン駐在員事務所長として取引先の海外進出支援などを担当。16年に日本へ帰任、海外事業推進部調査役を経て、18年よりOKBコンサルティングベトナム社長としてハノイへ赴任。愛知県出身、44歳。


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