ふるさとへの便り
県産品の魅力を発信
イギリス

2019年07月19日 09:06

岐阜県産品フェアのオープニングイベントの様子=イギリス・ロンドン市、Heal‘s

岐阜県産品フェアのオープニングイベントの様子=イギリス・ロンドン市、Heal‘s

 今年4月末から5月にかけての3週間、ロンドン市内の老舗インテリア百貨店「Heal's(ヒールズ)」において、岐阜県産品フェア「HEAL'S×GIFU JAPANESE CRAFT MARKET」が開催されました。「美濃和紙」「刃物」「陶磁器」「木工」の分野で、県内企業の約138種類の商品と、ヒールズとのコラボレーション商品が出品され、オープニングイベントには約300人が来場するほどの盛況ぶりでした。

 フェア期間中は、岐阜県や美濃和紙を紹介する展示を行い、美濃焼を使った茶道お点前体験、美濃和紙や岐阜県産の升などを使ったワークショップも実施しました。フェア来場者の反応は上々で、実際に美濃和紙を手に取った人は、その頑丈さに驚くだけでなく、風合いの美しさに感心している様子でした。「日本を訪れたことはないが、素晴らしい伝統文化が残る岐阜県にぜひ足を運んでみたい」という声も聞かれました。

 ロンドンにおける在留邦人数は、2017年10月時点で約3万4千人と、世界各都市の中でも最大規模であり、日本人コミュニティーも数多く存在しています。そのような中、近年の日本ブームも相まって、ロンドンでは本格的な日本の食・モノも徐々に定着してきています。18年7月には、日本食複合施設「Ichiba」がロンドン市内大型ショッピングセンター内にオープンしました。Ichibaでは、日本食材、生活用品などを販売するだけでなく、大規模なイートインスペースを設置し、すしや焼き鳥、お好み焼き、ラーメン、日本酒、ビール、抹茶など、本格的な日本食をその場で気軽に楽しむことができ、多くの人でにぎわっています。

 伝統工芸品の分野では、18年6月にオープンした日本文化発信拠点の「ジャパン・ハウス」や、日本各地の伝統工芸品を扱ったセレクトショップ「wagumi」などで展開されているほか、イギリス各地で「金継ぎ(Kintsugi)」のワークショップも行われています。金継ぎとは、割れや欠け、ひび割れなどの陶磁器の破損部分を漆で接着し、接着部分を金や銀などの金属粉で装飾して仕上げる日本独特の修復技法を指します。破損部分を欠陥と捉えるのではなく、修復することで偶発的な装飾として楽しむという美学が、現地の人にも受け入れられているようです。

 日本の一つの自治体の多様な魅力を伝え、海外での認知度を高めていくには、時間もコストもかかりますが、それでもやはり地道な事業展開の重要性を感じています。今回の岐阜県産品フェアにおける商品との出合いが、日本の「本物」を知るきっかけとなり、岐阜県のみならず日本各地へ訪れる人がますます増えていくことを期待しています。

 田島祥子(たじま・さちこ)さん 県庁から、2017年4月より一般財団法人自治体国際化協会に派遣、18年4月よりロンドン事務所に勤務。自治体の海外展開支援、海外事情調査などを担当。羽島郡笠松町出身。


過去の記事