ふるさとへの便り
算数の楽しさ伝える
モロッコ

2019年08月02日 10:35

特別支援学級で授業をしている様子=モロッコ

特別支援学級で授業をしている様子=モロッコ

 私は現在、シニア海外協力隊員としてモロッコで活動しています。住んでいるモロッコの都市は、緑豊かで古い歴史のある街です。モロッコの人たちは、とても優しくて親切です。バスにお年寄りや体の不自由な人が乗ってくると皆が当たり前のように席を譲ったり、手を貸したりします。

 日本に関心を持ち、日本語を上手に話す若者もいます。自分たちで自主的に集まって日本語を学んでいるそうです。日本の文化や技術に憧れているとモロッコの青年が話していました。それを聞いて私も日本人として日本の文化の素晴らしさに誇りを持ち、モロッコの人たちと温かい交流がしたいと思いました。

 モロッコでの楽しみの一つが食べ物です。ここは、農業が盛んな地域で、ジャガイモ、トマト、オリーブ、オレンジなどが、色とりどりの美しさに輝いて市場に並んでいます。農家のおじさんたちが、荷車に育てた野菜や果物を積んで売っています。私は、それらの野菜を使ってモロッコ料理のタジン(煮込み料理)を作ります。オレンジ、ザクロ、ブドウ、イチゴなど果物は豊富な上、驚くほど安価でとてもおいしいです。

 私は、教員養成校と小学校に併設されている特別支援学級で働いています。この学級に通う生徒は、6歳から17歳くらいまでで、一つのクラスには20人ほどの生徒がいます。先生とアシスタントが指導をします。私は、小人数グループで算数を教えています。数を量として理解することが算数の基礎と考え、生徒に日本から持ってきたブロックを使って数えたり、計算の指導をしたりしています。生徒はブロックの操作をしながら集中して勉強しています。数字のカードを使って七並べのようなゲームをして数列も覚えていきます。

 私はいろいろなゲームを取り入れて、生徒が勉強に興味を持てるよう工夫しています。日本の学校での指導経験も生かして、モロッコの生徒が学ぶ楽しさを知り、算数が好きになるといいなあと思います。先生たちや学生たちとも協力して一人一人の子どもたちが生き生きと学べる指導技術を広めたいと思っています。

 小川まゆみおがわ・まゆみ)さん 公立小学校を定年退職後、2018年10月からシニア海外ボランティアとしてモロッコへ派遣。教員養成校で特別支援教育の授業を実施、市内の特別支援教室でも活動する。多治見市出身。64歳。


過去の記事