ふるさとへの便り
妊婦の笑顔守りたい
フィリピン

2019年08月16日 09:32

産科病棟で再会した双子の赤ちゃんとお母さん=フィリピン

産科病棟で再会した双子の赤ちゃんとお母さん=フィリピン

 「マーヨンハポン!(=こんにちは)」。私はフィリピンで青年海外協力隊員として活動しています。生まれも育ちも岐阜県の私が今暮らすのは、セブ島の隣に位置するレイテ島のオルモック市です。レイテ島は第2次世界大戦の激戦の地として知られ、オルモックの高台にある大きな慰霊碑には、「岐阜」という文字が刻まれています。パイナップルの名産地で、昔ながらのフィリピンの景色とショッピングモールなどの現代的な景色が入り混じる海辺の町です。

 私は、オルモック県病院で、妊婦さん、産後のお母さん、赤ちゃんの健康に関わる活動をしています。私が活動する病院は、1日平均8人の赤ちゃんが生まれます。午前中はひっきりなしの妊婦健診。産科病棟の廊下にベッドが並ぶ光景も日常です。人口が増え続けているフィリピン。その勢いを肌で感じ、ないものを挙げたら切りがないけれど、その中で赤ちゃんの生命力、母親の強さ、触れて診ることの重要性に気付かされます。

 現在は、妊婦健診をお手伝いしながら、勉強会の企画、母親学級のサポート、教材の提案、環境整備、母子手帳記入の導入などに取り組み始めています。英語、セブアノ語に苦戦する日々ですが、顔見知りになった妊婦さんが「アテ(お姉さんの意味)ナミー!」と外来で声を掛けてくれる瞬間、病棟で笑顔のお母さんと赤ちゃんに再会できた瞬間に何とも言えない幸せを感じます。

 私は、お母さんたちのはにかむ笑顔が大好きです。赤ちゃんに思いをはせながら妊婦さんのおなかに触れさせていただく瞬間が大好きです。フィリピン人のよく笑う優しい同僚たちに毎日支えられています。だからこそ、現実に起こっている、お母さんや赤ちゃんが亡くなる悲しい出来事を防ぎたい。何か少しでも役に立てることはないか、現地のスタッフさんたちと試行錯誤をしています。まだまだ未熟な私を受け入れてくれた現地の人々、支えてくれる友人と家族に感謝し、笑顔で精一杯頑張りたいと思います。

 大嶋奈稔栄(おおしま・なみえ)さん 看護師・助産師として病院勤務の後、2018年11月から青年海外協力隊としてフィリピンへ派遣。母子保健サービスの向上に取り組む。各務原市出身。28歳。


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