ふるさとへの便り
日本への人材増 期待
フィリピン

2019年08月30日 09:38

フィリピン国内に約1160店舗、海外に約240店舗を構える「ジョリビー」=同国・マカティ市

フィリピン国内に約1160店舗、海外に約240店舗を構える「ジョリビー」=同国・マカティ市

 フィリピンに赴任して2年が経過しました。日本を離れて生活していると、慣れ親しんだ故郷の味が無性に恋しくなることがあります。幸い、私の駐在するマカティ市には多くの日系レストランがあり、特にカレーチェーン店のカレーライスは私にとって幼い頃から親しんだ味で、よく足を運んでいます。
 フィリピンは、ASEAN(東南アジア諸国連合)ではインドネシアに次ぐ1億人超の人口を誇りますが、実にその1割に当たる約1千万人が出稼ぎ労働者(OFW)として海外で生活しています。こうしたOFWの皆さんも故郷(フィリピン)の味が恋しくなるのか、私の行きつけのカレーチェーン店同様、OFWの方々が海外で利用する店がフィリピン大手ファストフードチェーン店「ジョリビー」です。
 「ジョリビー」はフィリピン国内に約1160店舗、海外に約240店舗を構えていますが、国別店舗分布を見ると、ベトナムなどの近隣国は別として、カタールなどの中東諸国やシンガポール、香港、北米など、OFWが多い国や地域に展開しています。私はシンガポールと香港の店舗を訪れたことがあるのですが、そこには多くのフィリピン人が母国の味を楽しむ姿がありました。昨年はドゥテルテ大統領が香港の「ジョリビー」を訪れてOFWと交流したことも話題になりました。
 日本に居住するフィリピン人は約27万人でシンガポールや香港と比較しても決して少なくはないのですが、残念ながら日本にはまだ「ジョリビー」はありません。これはフィリピン人の間で日本が出稼ぎ先としてメジャーではないことが理由として考えられますが、その背景には、日本での就労ビザ取得における厳しい規制に加え、英語が堪能なフィリピン人にとっては英語で働ける国の方が働きやすいことなどが挙げられます。
 一方、日本では人材不足が深刻化しており、改正入管難民法が施行されるなど外国人材受け入れの門戸を広げています。お客さまからの人材採用に関する相談も増えており、日本企業のフィリピン人材への期待を感じると同時に、日本側の受け入れ姿勢の変化によってフィリピン人の目も日本に向き始めています。
 こうした環境を踏まえ、マニラ駐在員事務所としてはお客さまへの「人材」に関するサポートを通して日比双方の期待の実現に向けたお手伝いができればと考えています。今後日本で働くフィリピン人の一層の増加が期待できます。もしかすると「ジョリビー」が日本に進出する日も近いかもしれません。

 石田修平(いしだ・しゅうへい)さん OKB大垣共立銀行マニラ駐在員事務所長。1999年入社。愛知県内の営業店、人事部、東京事務所、海外事業推進部を経て、2017年5月より現職。取引先の海外進出支援などを行う。名古屋市出身。44歳。


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