ふるさとへの便り
地域の環境教育に力
モンゴル

2019年09月06日 09:16

小学部児童の理科の実験への意欲は高い=モンゴル

小学部児童の理科の実験への意欲は高い=モンゴル

 モンゴルの南、ゴビ砂漠の東にサインシャンドという街がある。地方だが、中国からの輸入で大抵の物が手に入り、生活上の不自由はあまりない。街を歩けば、擦れ違うのはほとんどが顔見知りで、毎日子どもたちの元気に外で遊ぶ声が聞こえる。私は、この街の小学校で理科や環境教育を中心に指導している。

 サインシャンドという名はサイン=「良い」、シャンド=「水源」に由来する。空気は乾燥していても、住宅街を抜ければ数百頭の羊や馬が喉を鳴らして湧き水を飲む姿に出合うことができる。また恐竜の化石やチベット仏教の僧院があったりと観光資源も豊かだ。ここに来て最も驚いたのは、砂の色だ。赤、黄、黒、紫、白、強い日差しを浴びてキラキラと光る鉱石も混じる。小高い丘から見下ろせば、360度の地平線までまだらになった大地が広がり、不思議な解放感が漂う。

 この街の人口は現在約2万人。年々増加傾向にあり、ほとんどの学校が2部制(午前と午後にそれぞれ6時間授業を行う)を取り入れている。モンゴルでは、小、中、高の一貫教育が一般的であるが、小学部(1~5年生)は日本と同様、学級担任制だ。長期休みが年に4回あり、1年の半分が休みということになる。そのため学校は毎日、大人も子ども大忙しだ。しかし、一日の終わりに親子や兄弟が手をつないで、夕日の中を帰っていく姿は何とも言えない幸福感がある。

 この平穏な街でも、ごみ問題は深刻だ。街中に割れた酒瓶の破片が散乱し、木には風で飛ばされたビニール袋が引っ掛かっている。ごみ捨て場では度々ごみが燃え、タイヤや壊れた家電製品を庭で燃やす姿も見られる。外で遊ぶ子どもたちがかぐのは、モンゴル人の作るおいしい家庭料理の匂いでも、草を食む馬のにおいでもない。文化や気候は違えど、子どもたちには岐阜のように豊かな自然やすがすがしい空気のある故郷で育ってほしいと願う。学校だけでなく地域の環境教育にも尽力していきたい。

 さとう・えりこ 小学校教諭を経て、今年1月、青年海外協力隊員としてモンゴルへ派遣。小学校で身近な物を使った実験の紹介や環境教育を行う。海津市出身。29歳。


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