ふるさとへの便り
教員の"教材作り"指導
モロッコ

2020年02月07日 10:45

教員養成校での教材作りの授業で=モロッコ

教員養成校での教材作りの授業で=モロッコ

 モロッコも冬を迎えました。街の街路樹は黄色に染まり、葉を落とし始めました。緑色の葉の陰から色づいたオレンジの実がたくさんぶら下がっているのが見えます。どっしりした城壁の淡いピンク色と空の青さ、彩り豊かなジェラバを着て行き交う人たちなど、モロッコは冬も美しい色彩であふれています。私は教員養成校と小学校に併設されている特別支援学級の2カ所でJICA海外協力隊員として活動しています。

 小学校の支援学級には、6歳から15歳までの15人ほどの生徒がいます。先生やアシスタントは、ダリジャ語(アラビア語モロッコ方言)を教えるために歌、読み、書き、話し方などの指導をします。私は、小人数のグループで算数を教えています。生徒は、日本の小学生が使っているブロックを動かしながら、数を量として視覚的に捉え、足し算や引き算の計算練習をしています。今ではブロックの操作にも慣れ、繰り上がり、繰り下がりの計算を10の固まりを作って簡単にできるようになりました。先生方もこのブロックを使って算数指導を始めています。生徒が算数の楽しさを知り、さらに数の世界が広がっていくことを願っています。

 もう一つの活動先、教員養成校では、私は、児童の理解を助けるための教材作りをする授業に参加しています。学生は、児童の興味や関心を考えながら教材を手作りします。中には、モロッコならではの教材もあります。例えば、お祈りをするときの体の清め方の順番と方法を説明した図、モロッコで収穫される食料を使った栄養図など、農業生産物の豊かな国ならではの教材です。この授業で学生と学習の目的や効果について話し合いをしながらより良い教材を目指します。

 私は、日本の学校現場で培った経験がここで生かせることに感謝しています。モロッコの人たちは日本人の誠実さ、礼儀正しさが好きだと話します。それを聞くと日本人の良いところをずっと残していきたいなと私も身が引き締まる思いです。そして、私は、モロッコの人たちから親切な心を学んでいます。擦れ違う時やちょっと目が合うと笑顔でにっこりあいさつをしてくれたり、大きな車道を一緒に横断しようと合図をしてくれたり。冬の厳しい寒さの中でも心が温かくなる優しさを感じながら毎日を過ごしています。

 小川まゆみ(おがわ・まゆみ)さん 公立小学校を定年退職後、2018年10月からシニア海外ボランティアとしてモロッコへ派遣。教員養成校で特別支援教育の授業を担当し、特別支援教室でも活動。多治見市出身。64歳。


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