ふるさとへの便り
若年妊娠ケアに注力
フィリピン

2020年02月14日 11:09

10代の妊婦に病院に来てもらいたいケースを伝えている様子=フィリピン

10代の妊婦に病院に来てもらいたいケースを伝えている様子=フィリピン

 「マーヨンハポン!(=セブアノ語で『こんにちは』の意味)」。私はフィリピンで青年海外協力隊員として活動しています。中部国際空港から、観光地で有名なセブ島まで約4時間半。そこから船に揺られること約3時間で私が暮らすレイテ島オルモック市に着きます。にぎやかで穏やかな港町です。

 私はオルモック県病院で、妊婦さんや産後のお母さん、赤ちゃんへのケアの質向上に取り組んでいます。活動の一つとして、10代の妊婦さんたちへの健康教育の支援があります。病院で出産する5人に1人は10代であり、若年妊娠への取り組みが必要とされています。お母さんになる準備ができていない年齢での妊娠、出産は、母子共にリスクを伴います。同時に、妊娠、出産、育児は、精神面、教育面、経済面でも大きな影響があります。

 フィリピンはキリスト教カトリックが8割以上を占めている国です。宗教上の理由もあり、人工妊娠中絶が法的に認められていません。何歳であっても、予期せぬ妊娠であっても、妊婦健診で出会う妊婦さんたちは「出産」に向かって、そして、赤ちゃんも成長していきます。その中で、まず何よりも、女性と赤ちゃんの命を守りたい。必要なことはたくさんありますが、その一つとして、妊婦さんたちが正しい知識を得るサポートができたらと思っています。現在は、受診が必要な症状、授乳、家族計画(避妊法)、保険などについて、楽しく知る機会をつくれるように、現地の看護師さんと週に1回母親学級のような時間をつくっています。

 悲しいことや悔しいこともありますが、フレンドリーで優しいスタッフさん、家族や友人に、いつも助けられています。妊婦さんの笑顔、赤ちゃんが産声を上げた瞬間、赤ちゃんと家族が穏やかに過ごしている時間に、たくさんの幸せを感じています。もっと真摯(しんし)に、もっと温かく、もっと的確に、もっと楽しんで。この場所で過ごす時間を大切に、同僚や患者さんたちのために、頑張りたいと思います。

 大嶋奈稔栄(おおしま・なみえ)さん 看護師・助産師。高山市内での病院勤務を経て、2018年11月から青年海外協力隊としてフィリピンへ派遣。母子保健サービス向上に取り組む。各務原市出身。29歳。


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