ふるさとへの便り
食用キノコ活用模索
ペルー

2020年02月21日 09:45

同僚と実験データの分析をしている様子=ペルー

同僚と実験データの分析をしている様子=ペルー

 こんにちは。私はペルー北東に位置するイキトスという都市で青年海外協力隊員としてキノコ栽培の普及活動をしています。約1年前から始まった活動の初期には、ジャングルでキノコの生態調査を行い、どの種類の食用キノコが現地で生産できるのかを特定しました。その中で繁殖力が強いとされるヒラタケの自生を確認したため、現地で普及させる種類のキノコとして試験栽培することになりました。

 ヒラタケの種菌(たねきん)はペルー国内でも生産されていたため、容易に入手できましたが、キノコを生やす土台となる菌床の材料の入手が問題でした。そこで、市場へ度々行き、捨てられている食材で再利用できそうな物を探し、試行錯誤の結果、バナナの皮とサトウキビを搾った後の茎を混ぜた物で、まとまった量のヒラタケが収穫できるようになりました。また、キノコ栽培で重要な過程である殺菌については、容易で安全であること、手間とコストがかからないことを考え、1週間材料を石灰水に浸すなどの方法を採り入れています。しかし、順調にヒラタケが育つ時もあれば、アオカビなどの雑菌の発生や虫が菌床に付いてしまうことで、キノコが全く生えない時もありました。

 今後、ヒラタケが順調に生産できるようになれば、ヒラタケ栽培の普及活動に力を入れることになります。実際にヒラタケが生えている菌床を現地の小中学校、集会場へ持ち込み、住民が集まる中で実物の展示を行い、栽培方法の説明を行っています。今後、収穫したヒラタケを用いた試食会を開催し、現地の料理に活用できないか模索します。また栽培希望者を募り、現地生産者による製造検証を予定しています。残り9カ月の活動期間で、キノコの栽培技術を現地で普及できるかどうか分かりませんが、生産者にとって新しい収入源となること、新しい食材として有効活用できる可能性があることを住民に周知することを目指し、残りの期間、悔いが残らぬように活動したいと思います。

 辻孝治(つじ・こうじ)さん 農業関係の団体職員を経て、2018年10月から青年海外協力隊員としてペルーへ派遣。アマゾン地域調査庁で、キノコ栽培の普及活動を行う。高山市出身。


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