ふるさとへの便り
経済成長の気配漂う
タイ

2020年02月28日 11:03

バンコク最大の中国人街「ヤワラート」。200年以上前に中国人が住み始めたといわれている=タイ

バンコク最大の中国人街「ヤワラート」。200年以上前に中国人が住み始めたといわれている=タイ

 2018年9月、私はタイの地に初めて降り立ちました。スワンナプーム空港から車でバンコク市内へ入り、入居するアパートの前で車を降りた瞬間、不意に何とも言えない不思議な懐かしさに襲われました。「この街は、中国と同じ匂いがする」

 この時からさらに20年前の1998年、私は地元の大垣国際交流協会の友好親善派遣団の一員として、大垣市の友好都市である中国河北省邯鄲(ハンタン)市を訪問しました。中国では、しょうゆや油など、いろいろ混ざったような匂いを体感しました。表現が難しいのですが、不快なものではなく、ただ、日本にはない不思議な匂いだったのです。

 当時の中国は経済成長真っただ中。北京や天津、邯鄲、どこへ行っても、人々の顔には希望が、街には活力があふれていました。ホームステイ先の中学生が「中国はこれからも成長を続けて、きっと大きな国になるから、いつか日本を抜くよ」と真顔で話していたことは今でもはっきりと記憶に残っています。

 タイではさる1月25日に「春節」を迎えました。新型肺炎の感染拡大の影響もあり、中国からの観光客は例年に比べかなり少なかったのですが、「ワン・ドゥッ・チーン」と呼ばれるこの日、人口の約14%を占め、約700万人が暮らす中国系タイ人や中国からの観光客が街に出て、爆竹を鳴らし、竜を舞わせ新年を強烈に祝いました。

 タイはさまざまな人種を受け入れ国をつくってきた歴史があります。祖先や祖父母、両親が中国出身でもタイ人として生きタイの発展に寄与することが誇りとされてきました。財閥の多くは中国系タイ人が率いておりタイ経済の中心を握っていると表現されることもありますが、彼らは皆タイ人としてのアイデンティティーを持っています。

 現在のバンコクでも、人々の顔には希望が、街には活力があふれています。タイ政府の長期経済成長指針「タイランド4・0」には、20年後に先進国の仲間入りを果たすという目標が明言されています。懐かしい街の匂いを感じながら、タイはこれからも成長を続け、いつか日本や中国のように大きな国になるだろう―との思いを抱いています。まだまだ成長が期待されるタイ。進出を検討の際にはぜひ弊行事務所をご活用ください。

 堀江幸康(ほりえ・ゆきやす)さん 十六銀行バンコク駐在員事務所長。2002年入行、岐阜、愛知県内店舗で主に融資・外国為替業務に従事。18年10月にバンコクへ赴任。大垣市出身。


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