ふるさとへの便り
必須の暗算法を指導 
パラオ

2020年03月06日 10:18

高校で実施した講習会の様子=パラオ

高校で実施した講習会の様子=パラオ

 皆さん、こんにちは。私はJICA海外協力隊員としてパラオで働いています。パラオは日本から南に約4千キロ、赤道直下にある南国の島です。気温はいつも32度前後で少し暑いですが、地震や台風もなく、毎日がゆったりとしています。海がきれいです。私の仕事は公立の小学校や高校を訪問して、数学担当の先生たちにアドバイスをすることです。研修会で講師をしたり、学生たちに数学を教えたりもしています。

 パラオは米国とほぼ同じ教育制度です。小学校の8年間と高校の4年間が義務教育です。ほとんどの授業が英語で進められ、教科書も英語で書かれています。小学校ではシンガポール・マスという数学を教えています。これはシンガポールで開発された指導法で、メンタル・マス(正式名Mental Mathematics)という暗算や、文章問題ではバーモデルを使うのが特徴です。どの学年も内容のレベルが高く、日本の中学1・2年に相当する7・8年生では、高校1年の内容まで教えます。

 残念なことに、そのレベルまできちんと教えられる教員がパラオにはあまりいません。そこで私たちJICAの海外協力隊員がサポートしています。教育省も研修会を頻繁に開いて教員養成に努力しています。離島には私たちが小型ボートで雨が降っていても行きます。昨年はカヤンゲル島とペリリュー島へ行きました(これはちょっと大変です...)。

 私はこの1年半でほとんどの小学校を訪問し、授業参観や個人面談をした先生は70人以上になります。7月には全国規模の研修会があります。昨年はカードを使った数学の授業を紹介しました。今年はメンタル・マスを先生方に教える予定で、その教本も執筆中です。メンタル・マスは学生にとって便利で必須の暗算技術だからです。

 パラオの学生たちは真面目です。特に高校生は熱心に勉強します。高校を卒業して米国やグアムなどの大学へ進学したり、働きに出たりする学生がたくさんいます。そのような若者たちを応援したくて、私は日々の仕事に取り組んでいます。

 天野久雄(あまの・ひさお)さん 大学非常勤講師、岐阜県教員、海外日本人学校教員を経て、2018年9月からパラオへ。教育省で数学スペシャリストとして勤務。岐阜市出身。


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