ふるさとへの便り
巡回車でへき地診療
ケニア

2020年03月20日 10:10

へき地に出向く医療巡回車=ケニア

へき地に出向く医療巡回車=ケニア

 「Idhi nade?(=現地の言葉ルオ語で『How are you?』)」。私は青年海外協力隊員として病院に併設された保健事務所で働いています。そして、私のいる病院はシアヤ・カウンティ(郡)では大きな病院です。しかし、ここにみんなが来られるわけではありません。住民の移動手段は、自転車、バイク、車、トゥクトゥク、マタツといわれるバスです。自転車やバイクも立派な客を運ぶ商売です。距離によりますが、だいたい1キロ乗って50円くらいでしょうか。しかし、広大な土地であり、お金もあまりないという住民も多くいるのが実情です。バイクや自転車に払うお金もないという家庭もあります。そのため、私たちは医療巡回車でへき地まで出向きます。

 その医療巡回車では、子宮がん検診、診察、薬の配布、ファミリープランニング、そして、マラリアチェックを行います。驚きなのは全て看護師の仕事であること。ケニアの看護師は日本の助産師、保健師、看護師の要素を併せ持っています。いわゆる何でも屋さん。ところが診察の結果、薬が必要となっても、その薬がないこともあります。その際は近くの病院に行くよう勧めます。すぐには対応できない現状があります。

 以前私がイメージしていたケニアは、労働時間きっちりの仕事をするため、病院が閉まる頃に行っても診てもらえないのではないかと思っていました。しかし、現地の人と関わってみると、イメージとは違っていました。医療巡回車で回っていた時、全て閉めて帰る時に親子がやって来ました。子どもは熱を出していてぐったり。母親もおろおろするばかり。帰ろうとしていた看護師はすぐにマラリアのチェックをして、陽性だったので薬を渡して無事に終了しました。

 また、別の施設へ見学に行った際には、多くの看護師がワクチンを打つ時にそれほど詳しい説明をしない中、ある1人の看護師はどういうワクチンなのかを具体的に説明していました。それが私にはとても新鮮に感じられました。あと1年、現地の人といろんな話をして体感して帰国したいと思います。

 中山明香子(なかやま・あかね)さん 地方公務員を休職し、2019年1月から青年海外協力隊として、ケニアへ派遣。ワクチン管理、施設巡回など、同僚のサポートをしている。各務原市出身。


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