ふるさとへの便り
かばん製作を技能指導
ベナン

2020年05月29日 10:29

洋裁アトリエの生徒にかばん作成の指導をしている様子=ベナン

洋裁アトリエの生徒にかばん作成の指導をしている様子=ベナン

 初夏らしくなってきました。私はJICA海外協力隊員として昨年7月から西アフリカのベナンで活動しています。乾期と雨期というアフリカの熱帯雨林気候を過ごす住民には、春と冬の説明が難しいです。国には42の民族がいますが、母語はさまざまで、公用語としてフランス語が使われています。主要産業は農業で、綿花の生産が盛んです。

 私の配属先は南西部に位置するジャコトメ市福祉センターです。ここでは、障害者や弱者への雇用支援、DVや強制結婚の被害者・家庭問題の相談業務、児童支援、孤児や低所得家庭への支援が行われています。私への要請内容は併設する洋裁工房(アトリエ)の活発化、書類や業務の整理、地域住民に対する啓発活動の三つで、主にアトリエでの活動に力を入れました。

 ベナンには見習い制度があります。仕立て屋、美容院、機械整備士、木工業などに見習いとして学び職業の技を身に付け独立していきます。しかし、職業の選択肢が少ないこの国では同業者も多く、十分な収入を得られない人もいます。配属先のアトリエは、福祉センターの「社会的弱者支援の一環」として女子の職業訓練の位置付けで設置されました。服飾を指導員から学んで立派にできる生徒と、8カ月かけて作成してきたのはかばんやポーチなどの小物製品です。都市部や観光地に行けば、こういった小物がありますが地方ではあまり見ることがありません。私は小物作りを通して、技術や会計教育・新しい仕事の機会・外国人との交流機会を設けたいと考えました。作成と販売を重ね、アトリエにミシンを購入可能な利益も集めることができました。

 今は、生徒の生活に少しでも余裕ができるようなことをしてあげたい―と、日本で教壇に立っていた時と同じことを思っています。

 外田有梨さん 教員。自己啓発休業制度を利用してベナンに派遣。社会的弱者や洋裁アトリエの支援を行う。高山市出身。30歳。


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