ふるさとへの便り
学校体育の充実に注力
コスタリカ

2020年08月14日 09:55

ドッジボールをして楽しむ児童たち=コスタリカ

ドッジボールをして楽しむ児童たち=コスタリカ

 私が派遣されたコスタリカは、面積が約5万平方キロメートル、人口は500万人に満たない国だ。公用語はスペイン語。私の任地、ロスチレス市はコスタリカ北部にあり、ニカラグアと接している町だ。国境付近ということもあるのか、かなり多くのニカラグア人が暮らしている。派遣された5月は、地元の土岐市、多治見市の8月をほうふつとさせる湿度と日差しに、立っているだけで倒れそうだった。夕方に多くの人が広場で談笑したり、遊んだりしている姿に、地元での幼少期を思い出した。

 私は、この町で「スポーツを通した青少年の健全な育成」をテーマに、スポーツ指導を行っている。主な活動は、学校体育の充足、スポーツ少年団への指導、指導者への指導の三つだ。

 コスタリカの農村部では教員が配置できず、専門の先生がいないためにその授業が行われないことがある。そこでまず、体育の指導のため学校を巡回した。驚いたことに、どの学校でも「遊ぼう!」と言われる。しかし意味するのは「スポーツをして遊ぶ」という意味ではない。「サッカーをしよう」ということなのだ。衝撃だった。「なるほど、彼らの中で体育は遊ぶ(サッカーの)時間なのか」とふに落ち、「これから彼らに何を教えられるだろうか、何を学んでもらえるだろうか」と考えた。胸が躍る瞬間だった。

 コスタリカのいわゆる貧困地域であるロスチレスの学校は予算が取れず、学校で使う教具も少ない。そのため、道に落ちているココナツ、教室に倒れている工事用のコーンなどさまざまなものを教具に変身させる。アイデアを出しながら授業を進めるのもまた、発展途上と言われる国での醍醐味(だいごみ)だと感じている。(コロナウイルス感染拡大に伴い、現在は一時帰国中)

 樋口諒さん 教員を経て青年海外協力隊体育隊員としてコスタリカへ派遣。ロスチレス市のスポーツ委員会に所属。土岐市出身。30歳。


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