ふるさとへの便り
栄養の大切さを伝える
ベナン

2020年10月02日 10:40

保健センターでスタッフと共にカルテを整理している様子=ベナン

保健センターでスタッフと共にカルテを整理している様子=ベナン

 私はJICA海外協力隊として西アフリカのベナンで活動していました。ベナンには40を超す民族が暮らし、公用語のフランス語の他に各民族の言葉が使われます。任地アボメイ市にはフォン族と呼ばれる民族が多く、主にフォン語が話されています。フォン族の人々は夕方になると「アーブロッパエデーア?(=フォン語で『ちょっとした?』)」とあいさつします。これは「たくさん働くと疲れてしまうから、ちょっと働くのがちょうど良い」との考え方に基づくあいさつです。ゆったりとした時間の流れの中に日々の暮らしがあるのがベナンの魅力です。

 私が活動した市内の保健センターではマラリアの簡易検査やけがの処置など簡単な診療のほか、妊婦健診やお産、乳幼児の予防接種を行っていました。来所者の中には低体重の乳児やマラリアの子ども、貧血持ちの妊婦ら栄養状態不良の人々が多くいました。炭水化物や脂の多い食生活などで肥満や高血圧といった生活習慣病になる人々もいます。栄養に関する問題は病気だけでなく、子どもの脳の発達や将来的な健康、学業、収入、出産時のトラブルなど生涯にわたって影響するといわれています。

 そこで私はスタッフと共に主に女性と子どもを対象に栄養に関する啓発活動を始めました。現地の人々が日々何を食べ、どのような生活を送っているのか学ぶことからのスタートでした。実際は私がフランス語で話し、スタッフがフォン語に訳すのですが、毎回多くのアドリブが加えられ、話好きのベナン人らしさが出ていて興味深かったです。

 コロナ禍で活動が軌道に乗る前に帰国となってしまったのはとても残念ですが、現地で関わったスタッフや人々の中に少しでも何かが残り、彼らの生活や健康に役立っていたら幸いです。

 野澤咲希さん 看護師として病院勤務後、昨年7月からベナンへ派遣。保健センターで予防接種支援や栄養指導を実施。中津川市出身。


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