消化器内科医 加藤則廣

 今回は、近年欧米で増えていて、近い将来に日本でも増加が危惧されている、バレット食道がんを取り上げます。

 日本における食道がんは、食道の中部に多くみられ、喫煙と飲酒が二大危険因子として知られています。食道粘膜は組織学的に重層扁平(へんぺい)上皮で、そこから発生する扁平上皮がんが、現在の日本の食道がんの90%を占めます。

 実は欧米でも、以前は扁平上皮がんが多かったのですが、1980年ごろより食道下端にできる腺がんが増加してきて、最近は扁平上皮がんより、腺がんの患者数が多くなっています。その成因は、逆流性食道炎の患者の増加と関連しているとされています。(続きを読む...)