教えてホームドクター
開頭手術 その11
内視鏡使い傷を小さく 顕微鏡に比べ、深部もよく見える

2019年05月13日 09:25

脳神経外科医 吉村紳一氏

 こんにちは、吉村です。この欄では「脳卒中予防に関する最新情報」を紹介しています。皆さん、一緒に勉強しましょう! 今回も「開頭手術」についてお話しします。

 さて、私たち脳神経外科では、細かい脳神経や血管を傷つけないように手術するために、手術用顕微鏡を使っています。しかし最近では、別の機器を用いて手術をする機会が増えてきました。

 その一つが内視鏡です。胃や腸の検査に使われる機器ですが、脳の手術にどのように使われるか、ご存じでしょうか?

 脳の手術に使う内視鏡は、神経内視鏡と呼ばれます。胃や大腸に使われるのと同じ軟性鏡=図1=と呼ばれるものと、直径4ミリ程度の硬い筒状をした硬性鏡=同=の2種類があり、手術によって使い分けられています。

 内視鏡を使った代表的な手術は、①脳の水の部屋(脳室)を経由して行う水頭症手術や脳室内腫瘍の手術②鼻の中を経由して行う下垂体腫瘍③脳内血腫を摘出する手術④脊髄手術などに分けられます。内視鏡を用いることで、傷を小さくできること=図2=が利点の一つですが、顕微鏡では見えない角度や、深い部分がよく見えるという特徴もあります。

 開頭手術の主流は顕微鏡手術ですが、最近では先に挙げた手術を中心に、内視鏡も徐々に増加しています。今後も改良され、さらに広く用いられるようになるでしょう。

(兵庫医科大学脳神経外科主任教授、大垣徳洲会病院外来担当)


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