教えてホームドクター
インフルエンザの耐性
性質変化、薬効かず ワクチン接種、予防が大切

2019年11月13日 09:18

小児科医 福富悌氏

 インフルエンザのワクチン接種が始まり、すでに接種をした人も多いと思います。インフルエンザにかからないためにはワクチン接種が大切です。

 もしも、インフルエンザにかかった時には、抗インフルエンザ薬が使われます。ところが最近のテレビなどでは、抗インフルエンザ薬に対する耐性ウイルスのことが話題になることがあります。

 日本では現在、インフルエンザに対しては5種類の薬剤が使用されています。これらには作用機序からM2阻害剤のアマンタジン、ノイラミニダーゼ阻害剤のオセルタミビル、ザナミビル、ペラミビル、ラニナミビルおよび、エンドヌクレアーゼ阻害薬のバロキサビルマルボキシルなどがあります。

 これらの薬剤に対する耐性ウイルスとは、インフルエンザウイルスに対して抗インフルエンザ薬を使用することにより、ウイルスが変化して薬が効かなくなるウイルスのことです。そのため、抗インフルエンザ薬に対する耐性ウイルスが増えると、治療のための薬を使っても効かなくなります。

 このようなことは以前から認められていました。特にアマンタジンはA型インフルエンザのみに使われますが、耐性ウイルスが出現しやすいことなどから、現在はあまり使用されていません。

 オセルタミビルも数年前に耐性 A/H1N1(季節性)が流行したことがありましたが、現在ではノイラミニダーゼ阻害剤は、すべてのインフルエンザウイルスに感受性があります。

 抗インフルエンザ薬に対する耐性ウイルスであっても、ウイルスそのものは薬剤が効きにくいだけで、ウイルス自体の威力が強くなったわけではなく、感染しやすくなったり、特別な合併症を起こすことはありません。

 そのため、症状は通常のインフルエンザと同じです。インフルエンザは予防が大切なので、ワクチン接種をしましょう。

(福富医院院長、岐阜市安食)


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