教えてホームドクター
がん教育の現場から
小中学生も理解深めて 知識があれば怖くない

2020年01月22日 08:53

放射線治療医 田中修氏

 1月22日はカレーの日です。1982年のこの日、全国学校栄養士協議会で1月22日の給食のメニューをカレーにすることに決められ、全国の小中学校で一斉にカレー給食が出されたためカレーの日になりました。さて、給食といえば小中学生の楽しみでもあります。今回は、日本の学生に対するがん教育の実情を書きたいと思います。

 あなたのお子さんはどれくらいがんを知っていますか? 高校生以上になると生物の授業でも扱うため、ある程度知識を持っている場合があります。しかし、中学生はどうでしょうか。文部科学省の調査によると小学校から高校で、がん教育を実施していたのは56%と約半数でした。また実施した学校のうち外部講師を活用したのは12%でした。

 昨年10月、私は岐阜市内の中学校でがん教室を開き2年生全員を対象に講義しました。講師が一方的に話すのではなく、生徒同士でもディスカッションをしてがんへの理解を深める方法をとり、最後はたくさんの質問をいただきました。

 講義前後でアンケートを行い、目立った認識変化があった項目を挙げてみます。①「がんは身近な病気と思う」は38%から75%へ増加②「がんは怖い病気」は70%から52%へ低下③「2人に1人はがんを発症する」は57%から87%へ増加。このように現状を知ることで不安が軽減し、誰でもがんになり得るという知識も付きました。また、95%の生徒が基本的なことが学べたと実感し、72%の生徒ががんに対する不安が減ったと感じている、ということもわかりました。

 テレビドラマなどでは、がんは苦しく、絶望的なものという描写が多いため、ただ漠然と怖い病気という認識でいた生徒が多かったのが印象的でした。今回、講義では清水茜さん作でアニメ化もされている漫画「はたらく細胞」を例にとって説明しました。この漫画は細胞が擬人化されており小中学生にとても人気があります。詳しくは「はたらく細胞」第7話『がん細胞』を読んでみてください。

 講義後の感想にも「家に帰ったらみんなに話したい」「がんは今では怖くない病気だと知ることができてよかった」などがあり、お子さんからがんについて話があったご家庭も多いかと思います。がんは身近な病気、けれど正しい知識と予防法を知っていれば怖くない。ご家庭でも、がんについて話し合ってみてはいかがでしょうか。

(朝日大学病院放射線治療科准教授)


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