教えてホームドクター
SNS時代のがん治療
情報の真偽、吟味して 主治医の言葉、信頼を

2020年07月08日 12:04

放射線治療医 田中修氏

 梅雨の時季に咲くアジサイ。アジサイの色は土壌が酸性なら花が青くなり、中性ないしアルカリ性なら赤くなります。色は化学につながるのですね。

 昨今、インターネットやSNSという言葉が広がってきました。SNSはソーシャル・ネットワーキング・サービスの略で会員制交流サイトのことを指し、代表的なものとして、フェイスブック、ツイッター、LINE(ライン)、ユーチューブなどが挙げられます。今回はインターネット上の医療情報について書こうと思います。

 まず、インターネットで「がん」と検索すればいろいろな情報が出てきます。それは病院やクリニックのホームページから、個人のブログ(闘病日記など)まであります。インターネットで情報を発信するのは自由です。健康食品などもインターネット上で多数販売されています。ではその情報をどこまで信じればよいのでしょうか。

 真偽を見極める手段として「この情報は正しい」というものを探すより「この情報は怪しい」と逆の観点からインターネットの情報を吟味する必要があります。怪しいホームページの特徴は①名ばかりの「医師監修」(医師が名前を貸しているだけ)②誇大表現(「これまでの商品に比べて〇〇を10倍配合」などの表示。それに抗がん効果がなければそもそも意味がない)③お客様の声(「あくまで個人の意見です」など)を過剰に主張④□□大学・研究所と共同開発(医師監修と同様、名前貸しが多い)⑤値段が高い、があります。

 インターネット広告は一方的な主張であり、真偽が分からないことが多いのも事実です。医療で「治る、完治する」という言葉は、本当にそれを用いることで治る、という科学的根拠があった場合にしか使ってはいけません。逆に言えば「がんが消失、がんを克服」などとあいまいな表現を使っている場合は気を付ける必要があります。

 一番簡単で大事なことは主治医に「インターネットでこのようなものを見たのですが試していいですか?」と聞くことです。情報が氾濫する時代、主治医の言葉が一番の道標だと思います。これは余談ですが、ツイッターアカウントで@RToncolを検索すると「放射線治療医」と名前が出てきます。これは私です。よかったら見てください(がん情報を多く発信しています)。
(朝日大学病院放射線治療科准教授)


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