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新聞で学ぼう

新聞はおもしろい!/大垣市の多良小6年・伊藤立樹君

「鹿児島との絆」紙面化

2016年 9月 5日

 新聞が大好き−。こう話すのは大垣市立多良小学校6年生伊藤立樹(たつき)君(11)。新聞を読むことを日課にし、気になる記事は切り取ってスクラップしている。夏休みには、家族と記事を囲んで会話を弾ませたほか、自ら体験したことをまとめる新聞作りにも挑戦。世の中の出来事を見る目を深め、視野を広げた夏となった。

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今夏の体験を新聞にまとめる伊藤立樹君
今夏の体験を新聞にまとめる伊藤立樹君
 新聞との出会いは、ご当地キャラクターに興味を持ち関連記事を集めるようになった保育園の年長時代にさかのぼる。新聞を毎日見ていくうちに、多様な記事が載っていると気付き、興味の有無にかかわらず広く記事に目を通すようになった。新商品の紹介、首相の動静もお気に入りの一つ。新聞各紙の題字も興味を持って集めており、「岐阜新聞は、題字の背景にふるさとの名所や特産品などが描かれている」と気付いた。

 今年5月には、アメリカのオバマ大統領が広島市の平和記念公園を訪れた記事に関心を寄せ、新聞各紙によって異なる見出しや写真、内容を見比べた。「71年前、アメリカはどうして原爆を落としたのか。日本やアメリカの考え方は? 当時の新聞も読んでみたい」と語り、自主学習の意欲を高めた。

新聞を開いて、会話を弾ませる(右から)立樹君、弟の大樹君、母の雅子さん=いずれも大垣市上石津町、伊藤さん宅
新聞を開いて、会話を弾ませる(右から)立樹君、弟の大樹君、母の雅子さん=いずれも大垣市上石津町、伊藤さん宅
 立樹君の一日は新聞とともに始まる。朝起きたらすぐ郵便受けに朝刊を取りに行く。朝食を済ませてから学校に行くまでの約10分−。1面のトップニュースに目を通し、帰宅後に見たい番組もテレビ欄でチェック。そして、再び1面に戻って総合面、国際面、社会面を読んでいく“新聞タイム”で「頭がすっきりし、いい気分で学校に行ける」という。

 家族みんなが読み終えたら立樹君の部屋の新聞収集箱に入れる。時間のある時に読み直し、気になる記事は切り取り、国際、文化、スポーツなどに分類し、ノートに貼り、ファイルに収めるなどしている。

 新聞のよさは「手軽さ」と言い、「紙面を広げるだけでたくさんの情報が得られる。一つのニュースに対して記者や専門家、読者などさまざまな人の意見が載っていて、自分とは異なる考え方を知ることもできる」とその魅力を語る。

 小学生として最後の夏休みだった今年、学校代表として「大垣市少年の船」に乗船し、大垣市のフレンドリーシティである鹿児島市を訪問した。桜島を見学し、現地の子どもたちと野外活動もして交流を深めた3泊4日。「見たり聞いたり、体験したことを友達に伝えたい」とオリジナルの新聞作りに取り組んだ。

 「鹿児島の子と交流するようになったきっかけは宝暦治水工事。困難な工事を成し遂げた薩摩義士をどちらの市でも大切にうやまい、伝えている。大垣市と鹿児島市の絆を記事にしたい」と思った。「書きたいことはたくさんあるのに限られた字数にまとめるのは大変だった」が、「真っ白だった用紙が文章や写真、図などで少しずつ埋まっていくとうれしくなり、完成した紙面を自分でも早く見たいと思うようになった」。

 伝えることの難しさと喜びを知った今夏、新聞製作がオリンピック開催期間と重なり、現地の記者がどのように感動を伝えるのか、リポートや連載記事に注目した。表現の仕方も研究し、分かりやすく、楽しく読んでもらうために、鹿児島弁や船のルートを地図で示すなどの工夫もした。新聞作りを体験してから「書き手の存在も意識して新聞を読むようになった」と言い、「友達はどんな表情で製作した新聞を読んでくれるだろう」と読み手の反応にも期待する。

 「体験の記憶を記録する良い思い出になった」と新聞作りを振り返った立樹君。「新聞は過去にも戻れるし、未来につなげることもできる」と改めて体感した新聞の魅力に触れ、「今を伝える新聞づくりにまた挑戦したい。家族で定期的に『家族新聞』を作るのもいいな」と話した。

(神保絵利子)