NIE アドバイザー通信
~特別編~岐阜県の展望(上)

2018年01月22日 11:57

岐阜県NIEアドバイザーの(左から)原田結花教諭、細江隆一教諭、奥田宣子教諭=岐阜新聞本社

岐阜県NIEアドバイザーの(左から)原田結花教諭、細江隆一教諭、奥田宣子教諭=岐阜新聞本社

原田結花・高富中教諭 意見に根拠、書く力伸長
細江隆一・美濃加茂西中教諭 生徒も教師も楽しんで
奥田宣子・富岡小教諭 返答できる力身につく

 年頭にあたり、県内のNIEアドバイザー原田結花教諭(山県市立高富中)、細江隆一教諭(美濃加茂市立西中)、奥田宣子教諭(山県市立富岡小)が岐阜新聞本社で、「岐阜県のNIEを展望する」と題した鼎談(ていだん)を行った。3人は、新聞を教材とした授業を始めて20年以上のキャリアを持ち、NIEによって子どもたちの成長や成果を実感してきた。新学習指導要領が求める「主体的・対話的で深い学び」には新聞が最適な教材だと口をそろえる。県内では、実践を行っていない学校も多いが、NIEに取り組む教師との連携を密にして発信力を高め、すべての子どもがNIEを体験できる地域を実現したいと、熱がこもった。1月のアドバイザー通信は、22日と29日の2回に分けて、鼎談の模様を紹介する。

 -新年を迎え、NIE実践についての抱負をお願いします。

 奥田 「社会に目を向け、自分の思いを確かにするNIE」というスタンスは変わらない。新聞は日常の身近な出来事が載っているので、社会と自分の生活を結びつけることができる。新聞を通して、自分なりの思いが持てる子どもを育てたい。

 細江 「生徒も教師も楽しんで取り組むNIE」がテーマ。もちろん授業なので、子どもに付けたい力を付け、カリキュラムにのっとるなど縛りはあるが、まずは教師が新聞を読んで面白いなあ、どうやって授業で使おうかと考え、子どもたちは、こんなことができるのか、と楽しめる。そういうことが味わえるNIEを、目指したい。

 原田 新聞を活用する先生がさらに増えるようアドバイザー通信を発信して、保護者への啓発も図りながら、新聞に触れる提案をしていきたい。また、最近の子どもたちは、会員制交流サイト(SNS)の短い応答は得意だが、じっくり考える習慣が付いていないと感じる。学校では、いろんな教科の先生に新聞活用のアイデアを伝え、新聞の掲示を充実して、新聞を読める環境づくりに努めたい。

 -NIEの実践で、どのような子どもの成長を体験したか。

 原田 実践のきっかけは、1994年愛知県の中学2年大河内清輝君がいじめによって命を絶った事件。担任していた小学5年生が、遠い出来事だと捉えていたため、いじめの種はどこにでも転がっていると、自分の問題として考えてほしくて始めた。新聞を使った授業によって、子どもたちは、事実から根拠を持って意見を述べる事ができるようになり、新聞にも投稿。話す・聞く力だけでなく、書く力も伸びたと実感できた。

 細江 20年ほど前、国語科は、文学の読み取りに傾いていた授業を転換、説明文を読み解く力が必要だと叫ばれ、そのためには新聞が大事だと言われた。当時、担任した中学1年生のうち、小学校でNIEを体験した生徒の表現力が他の生徒と比べてすごくあり、書く事も良くできた。これは新聞を使う授業には何かあるんじゃないかと感じ、実践している先輩の授業を勉強して、本格スタートした。

 奥田 20年前、朝の1分間スピーチで、同じ6年生の担任の先生から新聞を使おうと提案されたのがきっかけ。やってみると、子どもたちは自由に記事を選び、選んだ理由や感想を発表してくれた。児童の興味や関心は次第に絞られていって、そこから夢や願いを持つようになっていき、何を言われても、返答できる力につながっていった。