NIE アドバイザー通信
新聞記者の仕事を知り、記事に興味 生徒「模擬会見」も体験
質問次々、新聞を開きながら学ぶ

2020年03月30日 08:22

  • 中学2年生が模擬会見を体験した新聞記者の講演会=加茂郡川辺町、川辺中学校体育館
  • 熱心に新聞を読む生徒たち=同

川辺町立川辺中教諭 細江隆一
 昨年11月27日の5、6時間目に、岐阜新聞社報道部の内木いづみ記者に、勤務校で講演していただいた。2年生の総合的な学習のテーマが「職業を知ろう」なので、これまでにもさまざまな職種の方に講演していただいた。記者の講演会もその一環である。

 目的は二つあった。一つは生徒に、新聞記者の仕事を知り、理解を深めてもらうこと。もう一つは、新聞自体に興味・関心を持ってもらうこと。前者は、新聞記者の仕事を漠然としか知らない生徒に、具体的な仕事内容や思いを知ってもらうためであり、後者は新聞に普段接しない生徒にその利点や価値を学んでもらうためだった。

 事実、わが校で「新聞を購読している家庭」で挙手してもらうと3分の2、「普段から読んでいる人」と聞けば、挙手は2、3人。新聞を購読している家庭は多いものの、毎日読んでいる生徒はほとんどいないのが実態である。記者の講演会がきっかけとなり、新聞を読む生徒が増えることも期待していた。

 講演会は2部構成で行われた。第1部は新聞記者の仕事や新聞の記事、紙面構成について説明があった。第2部は、内木記者が会見される人、生徒が会見する人と役割分担をし、「模擬会見」を行った。第1部で、生徒にとって印象深かった一つは、記事が「5W1H」で書かれている点。「5W1H」の意味を教わると、「そうなんだ」「へえ」という声が聞こえた。講演会後の感想用紙にもそれを記述する生徒が何人かいた。内木さんが記者になった理由や、うれしかったこと、大変だったことのエピソードも生徒をひきつけていた。

 第2部の「模擬会見」は生徒から予想以上の質問が出た。「記者会見」という経験が無く、最初は戸惑っていた生徒も、次第に慣れてくると質問ができるようになった。感想用紙には何人かの生徒が、「自分から質問ができて良かったです」「相手に質問するにはいろいろ考えなくてはならないので、難しかったです」と書いていた。また「記者会見の仕方がわかり、勉強になりました」ともあった。講演会当日までに、内木さんと何度も打ち合わせ、「生徒を楽しませる工夫」を練り合っていた成果だった。

 講演会の前には、各自のいすに新聞を置いた。普段なかなか触れていないにもかかわらず、講演が始まるぎりぎりまで読む姿があった。講演中も新聞の構成や作り方に話題が行くと、新聞を開いて確認する生徒が何人もいた。2時間の授業の間に、生徒は新聞を何度も開き、新聞の良さや価値を知ったに違いなかった。

 NIEの効果は一朝一夕には表れてはこない。だからこそ何度もその手立てを打つ必要がある。新聞がある環境づくり、新聞記者から聞くうれしかった話、苦労した話などの「生の声」、そして「模擬会見」という体験。この日の2時間の授業だけでも、生徒はたくさんのことを学んだ。実はこの経験が、岐阜新聞社の主催する「かべ新聞コンクール」にも生かされ、生徒の作った作品を読むと、記事に「5W1H」が意識されていたり、イラストにキャプションが付いていたり、レイアウトが工夫されていたりした。

 今後もNIEを無理なく、継続して、楽しみながら行いたい。