NIE いま 学校で

学習指導に工夫、一丸で

2019年01月07日 10:50

  • 教育学部4年生の模擬授業。先生役の学生が、グループの話し合いを生かして授業を進める=岐阜市柳津町高桑西、岐阜聖徳学園大学
  • 道徳の授業で、グループで意見を出し合い考えを深める5年生児童ら=岐阜市加納西丸町、加納小学校

◆横断的な視点重要、地域資源も活用を

 小学校5年生を担任した時、「理科の実験」で測定誤差を考慮したグラフが描けるようにと、算数の3学期の単元「平均」を1学期に入れ替えて学習したことがあります。子供たちは、まだ下巻の教科書は持っていなかったため、昨年の教科書を印刷して実施しました。

 当時、私は学級経営の柱として、自発・自治の活動(特別活動)と科学的な見方・考え方の育成(理科)に重点を置いていましたが、同じように多くの先生方が自分の専門教科を学級経営の中核にしていらっしゃいました。そのため、それぞれの学級には掲示物をはじめとして、独特の雰囲気がありました。先生方はクラスの子供たちの実態や学年・学校行事などを考慮し、教科書の学習順序を入れ替えたり、単元の指導に軽重をかけたり、複数の教科などに関係する学習内容を重点化したりして指導していらっしゃいました。同じようなことは、教科担任制の中学校でも見られましたが、小学校ほど顕著ではありませんでした。このようなカリキュラム実施の工夫は、すでに昭和の時代から担任や教科担任の先生方の間ではやられていたのです。

 2020年度から、小学校は新学習指導要領が完全実施となります。改訂のキーワードは「社会に開かれた教育課程」「カリキュラム・マネジメント」「資質・能力の育成」「主体的、対話的で深い学び」「見方・考え方」などであることは周知の通りです。今回は「資質・能力の育成」という教育の目標論・学力論から見直され、またその育成に向けて「主体的・対話的で深い学び」で実現を図ろうとする、教育の方法論までが示された大きな改訂です。

 カリキュラムを作成するにあたって、私たちが留意したいことは、キーワードの資質・能力はそれだけを取り出して訓練・強化できるようなものではなく、これまでと同様に教科などの知識内容を伴う学習活動の中で身につけ、高めていくものであるということです。われわれは授業で横書きの板書は、左上に「本時の課題」を書き、授業の終末には黒板の右下あたりに「本時のまとめ」を書いています。まとめに至るまでに、子供たちは資料を調べたり、観察・実験したり、ペアやグループで話し合ったりして課題を解決します。例えば、ペアやグループでの話し合いは、これまでは課題解決のための手段でしたが、これからは話し合いそのものが授業の目的でもあり、情報収集力やコミュニケーション力、整理・分析の力、まとめ・表現の力などの資質・能力を育成することがねらいなのです。また、これにより深い学びを期待しているのです。

 カリキュラムの作成は、これまで各担任や教科担任が個人として実践している学習指導の工夫点を互いに出し合い、これを教科など横断的に関係する学習内容を整理することから始めてはどうでしょうか。そして、地域社会と願いを共有・連携する一つとして、地域の人的・物的資源の活用もカリキュラムに位置づけ実施してはいかがでしょうか。

 カリキュラム・マネジメントは、授業数の削減を目的としたものではありませんが、先生方が一丸となってカリキュラムを見直すことで、改めて教科などの指導に軽重をかけたり、各教科や領域などを横断的にみて指導内容を重点化したりすることができ、結果として指導の効率化につながればよいと考えています。

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