NIE いま 学校で
特産品で「郷土愛」育む/中津川市の加子母小
校内でトマト栽培、道の駅で販売

2017年09月18日 13:34

  • 収穫したトマトは袋に詰めて販売。50袋がわずか5分で完売した=中津川市加子母、道の駅加子母
  • 校内のハウス農園で、赤く実り始めたトマトを収穫する児童=中津川市加子母、加子母小学校

 中津川市加子母の加子母小学校では、毎年5年生が総合的な学習の時間に、地元特産の「加子母ミネラルトマト」の栽培と販売に挑んでいる。地域のトマト農家に教わりながら、校内のハウス農園で手塩に掛けて栽培。"古里の味"の販売を通して、古里への愛着を育む狙いがある。

「心を込めて育てたトマトです。世界一、甘くておいしいよ」

 今月8日、加子母地区の道の駅「加子母」。店舗前の広場に児童の売り声が響いた。この日は、児童が育てたトマトの販売日。中玉トマト1個とフルーツトマト10個を入れた袋、中玉トマト2個とフルーツトマト5個を入れた袋の2種類を計50袋用意。「フルーツトマトは小さいけど、とても甘く、そのまま食べてもおいしいです」など、児童の手書きのメッセージカードを添えて1袋100円で販売。地域の人たちが行列を作り、わずか5分で完売した。

 地元の主婦、熊澤恵美さん(71)は「毎年楽しみにしている。加子母のトマトは甘くておいしいけど、地域の子どもたちが育てたトマトだから愛情がこもっていて、よりおいしい」と目を細めた。

 加子母地区では、50年以上前からミネラルトマトを特産品として栽培。同校では、地元のトマト農家などでつくるJAひがしみの加子母支部青壮年部(三浦達則部長)に教わりながら、約20年前からトマトの栽培と販売に取り組んでいる。

 本年度は、中玉トマトに加えてフルーツトマトにも挑戦。5年生24人が4月からトマトの苗約100本を鉢で育て始め、6月に校内の約70平方メートルのハウス農園に植え替えた。

 水やりは、晴れの日は1リットル、曇りの日は500ミリリットル、雨の日は与えず。夏休みは当番を決めて毎日、交代で世話をした。トマトの葉が成長すると、大きな実が付くように脇芽取りや摘果をこまめに行う。農薬は使わず、納豆菌など自然由来の成分を水に溶かして吹きかけ、病害を防ぐ。

 収穫のタイミングは、緑色のトマトの実が赤みがかった時。今年は、夏の日照不足と長雨の影響で、生育が遅く、湿度が高かったため、トマトの表面にひび割れもみられた。収穫は8月末から始め、児童が一個一個丁寧に選別してもぎ取り、販売に備えた。

 半世紀にわたって同地区で栽培され、親から子へ、子から孫へと受け継がれてきた"古里の味"。児童も自らの手で育てて、販売することで古里への愛着を深め、大人たちも毎年、児童のトマトを心待ちにする。

 伊藤宙晃君(11)は「雨の日が多くて量は採れなかったけど、味は甘い。世界一おいしい。加子母の特産品なので、僕たちもいっぱいトマトを食べて加子母を盛り上げたい」と目を輝かせた。