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数学「自分でよく考える」/本巣市の小中学生
「髙木貞治博士記念室」で楽しく学ぼう

2018年04月16日 10:15

  • かべ新聞コンクール入賞作品「算数新聞」も紹介されている=本巣市上保、富有柿センター
  • 1886(明治19)年1月7日付の岐阜日日新聞(現・岐阜新聞)でも神童ぶりを紹介

かべ新聞コンクール 入賞作「算数新聞」も展示

 本巣市数屋(かずや)(旧大野郡数屋村)出身で世界的な数学者として知られる元東京帝国大(現東大)教授の髙木貞治博士(1875~1960年)の功績などを紹介する「髙木貞治博士記念室」が3月29日、同市上保の富有柿センター3階に開室した。「数学のまちづくり」を進める同市では開室に併せ、市内小中学生が髙木博士や算数・数学に関して自主的に研究した作品を展示しており、岐阜新聞社主催の「かべ新聞コンクール2017」入賞作「算数新聞」(一色小児童制作)も紹介。恩師のアドバイス"自分でよく考えなさい"を実践した髙木博士の教えを引き継ごうとしている。

 髙木博士は大正時代に近代整数論の代表的理論「髙木類体論」を確立。数学界のノーベル賞といわれるフィールズ賞の第1回選考委員を務め、文化勲章も受章した。

 記念室には幼少期に書いた習字や鉛筆画デッサンをはじめ、愛用の眼鏡、勲章など約40点が並び、「『大体良さそうだ』では通用しない」など数学に向き合う姿勢も紹介している。また、1886(明治19)年1月7日付の岐阜日日新聞(現・岐阜新聞)=展示はコピー=からは、飛び級で小学校を3年で卒業したその「神童」ぶりがうかがえる。

 一色小は髙木博士の母校。「算数新聞」は昨年度の6年生(後藤瑠亜さん、河野心奈さん、福冨陽生さん)が制作した。博士の歩みをたどる年表や、算数の問題を作り、博士が恩師の言葉として大切にしていた「自分でよく考える」を意識した新聞になっている。

 「20メートルの道があります。はしからはしまで4メートルおきに木を並べます。木は何本いるでしょう」-この問題を作ったのは福冨さん。「5本と考えがちだが、正解は6本。0メートルのところが1本目となるので、20÷4=5というわけにはいかない。筋道を立てて考えること」などと解説・イラスト付きで新聞に記した。

 式典では、藤原勉市長、「本巣市数学のまちづくり学術アドバイザー」に就任した東京理科大の秋山仁栄誉教授(4月から兼特任副学長)、数学者でジャズピアニストの中島さち子さん、生徒代表の糸貫中2年(現3年)棚橋拓士(たなばしたくと)さんらとテープカットも行った福冨さん。「算数や数学はからくりや法則を考えるのが楽しい。プログラミングをしっかり学び、将来に生かしたい」と4月からの中学校生活に意欲を見せた。

 また、棚橋さんは昨夏、「髙木貞治博士と郷土との関わり」を調べた。博士の考え方、生き方を示す品々が多数残っていることに感謝し、博士が幼少期に描いたビワやカエルの絵を見て、「観察力がすごい。さまざまな分野に関心を持っていたことに刺激を受ける」と話した。

 一色小児童はかべ新聞で、市が取り組む「算数ウオークラリー」や「算数・数学甲子園」にも触れ、インタビュー記事で「自分で課題を乗り越えていく人が増えてほしい。算数、数学が楽しいと思ってほしい」(市教育委員会社会教育課・岡田英隆係長)と紹介。子どもたちは会場でそれぞれ目標を掲げつつ、「考える力をもっと伸ばしていきたい」と話した。