岐阜新聞・岐阜放送懇談会
北朝鮮今後も体制維持《6月例会》
慶応大准教授・礒﨑敦仁氏

2017年06月21日 11:34

北朝鮮の金正恩体制について解説する礒﨑敦仁さん=岐阜市長良、岐阜グランドホテル

北朝鮮の金正恩体制について解説する礒﨑敦仁さん=岐阜市長良、岐阜グランドホテル

◆テーマ「北朝鮮・金正恩体制のいま、これから」

 岐阜新聞・岐阜放送懇談会の6月例会は20日、岐阜市長良の岐阜グランドホテルで開き、慶応大准教授の礒﨑(いそざき)敦仁(あつひと)氏(42)=北朝鮮政治=が「北朝鮮・金正恩体制のいま、これから」と題して講演。核・ミサイル開発を強行する金正恩朝鮮労働党委員長の意図や体制を支える社会構造について解説した。

 礒﨑氏は「北朝鮮はしたたか。国際情勢をつぶさに観察し、教訓として取り入れている」と指摘。金正恩氏が核・ミサイル開発に力を入れるのは、米国などの圧力で核開発計画を放棄し、2011年に政権崩壊したリビアが念頭にあり、「核開発は6カ国協議にも利用していたが、『核を手放せばやられる』という自衛意識ばかりが強くなった」と説明した。

 金正恩氏は、祖父の故金日成主席の髪型に似せて権威付けを図りながら、故金正日総書記とは異なる政策も打ち出し、積極的に演説や談話を発表。人工衛星の打ち上げ失敗を公表するなど「透明性の確保に苦心している」とも紹介した。

 今後も北朝鮮は社会主義体制が維持されるとの見通しを示し、思想教育や武力弾圧、密告を奨励する統治システムが「成功」していることを理由に挙げた。韓国国民の意識の変化にも触れ、南北分断から約70年がたち「家族が引き裂かれた経験も歴史の一部になった」ため、融和路線を示す文在寅(ムンジェイン)政権も性急な統一は目指さないと予測した。

 拉致問題を抱える日本は北朝鮮と貿易を断ち、米韓と足並みをそろえてきたが、礒﨑氏は「最近の米中関係のように、米国が突然歩み寄りを見せることもある」とくぎを刺し、「米韓が対話路線に出たときに、交渉へと転換する度量があるかどうか、日本の真価が問われる」と述べた。