岐阜新聞・岐阜放送懇談会
9条、集団的自衛権が論点 《10月例会》
首都大学東京・木村草太教授

2017年10月19日 14:24

「憲法9条への自衛隊の明記は、集団的自衛権の行使容認の是非が争点となる」と話す木村草太教授=岐阜市長良、岐阜グランドホテル

「憲法9条への自衛隊の明記は、集団的自衛権の行使容認の是非が争点となる」と話す木村草太教授=岐阜市長良、岐阜グランドホテル

◆テーマ「いまなすべき憲法論議」

 岐阜新聞・岐阜放送懇談会の10月例会は18日、岐阜市長良の岐阜グランドホテルで開かれた。テレビの報道番組でコメンテーターなどとして活躍する気鋭の憲法学者、首都大学東京の木村草太教授が「いまなすべき憲法論議」と題して講演。憲法9条への自衛隊の明記について「集団的自衛権の行使容認の是非が論点になると理解して、今後の議論を見ていくべき」と述べた。

 衆院選の各党マニフェスト(政権公約)に触れた上で、「選挙後はかなり深い改憲議論が進む可能性がある」と指摘。9条と、衆院の解散権や国会召集、教育無償化―の3点についてポイントを説明した。

 9条への自衛隊明記は「自衛隊だけでなく、併せて任務も明記する必要があるため、(改憲論議は)集団的自衛権の行使容認の是非が論点となる」と説明。「(改憲を問う)国民投票で国民がノーを突き付けたら、安保法制を修正せざるを得なくなるだろう」と展望した。

 自身が集団的自衛権行使は違憲との見解を示している根拠として、いわゆる「武力行使の新3要件」を定めた自衛隊法76条2項の曖昧さを指摘。「何を意味しているのか人によってバラバラになる解釈を解消する必要がある。9条違反というより、意味が分からないという点で違憲」と述べた。

 衆院の解散権や国会の召集については、昨今の解散、召集の例を挙げて「見直す余地がある」と指摘。教育無償化については、政府が2012年に留保を撤回した国連の国際人権規約の責務とされており、「既に無償化をどう実現するか議論する段階だ」と述べた。