岐阜新聞・岐阜放送懇談会
言葉の意味、時代で変化 <岐阜5月例会>
日本語学者 飯間浩明氏

2019年05月29日 09:37

「他人に言葉の誤用を指摘するのは控えた方がいい」と語る飯間浩明氏=岐阜市長良、岐阜グランドホテル

「他人に言葉の誤用を指摘するのは控えた方がいい」と語る飯間浩明氏=岐阜市長良、岐阜グランドホテル

◆テーマ「もし人に誤用を指摘されたら」

 岐阜新聞・岐阜放送懇談会の5月岐阜例会は28日、岐阜市長良の岐阜グランドホテルで開かれ、日本語学者で国語辞典編さん者の飯間浩明氏が「もし人に誤用を指摘されたら」と題して講演。時代とともに少しずつ変化する言葉の意味や、「的を得る」と「的を射る」などの正誤を解説した。

 飯間氏は、言葉の誤用を指摘されるさまざまなパターンを紹介し、例えば「汚名挽回(ばんかい)」については「理詰めで誤用と言われるケース」と説明。「汚名挽回は『汚名を取り戻す意味になる』として誤用となり、『汚名返上』が正しいという認識が広がっている」と述べたが、「挽回には『元に戻す』という意味があり、『汚名を着た状態を元に戻す』と解釈できる。汚名挽回は一概に誤りとは言えない」と解説した。

 また、「的を得る」が誤用とされ、「的を射る」が正しいとされていることについては、「辞書のフライング」と説明。「的を得る」は本来、間違いではなかったが、1980年代の国語辞典が「間違い」と紹介し、追随する辞典もあったことから「『的を得る』が間違いとして広まってしまった」と説明。「『得る』は『うまく捉える』という意味があり、『的を得る』は正しい」と述べた。

 このほか、「敷居が高い」や「確信犯」の意味が時代とともに少しずつ変化したことや、国語辞典の編さん工程なども紹介した。言葉の正誤については「誤用と感じる自由は誰にでもあるので、指摘されても落ち込まないで。他人の誤用を指摘するのも控えた方がいい」などと提案した。