岐阜新聞・岐阜放送懇談会
「縮災」の視点を育てよ <岐阜8月例会>
関西大社会安全研究センター長 河田惠昭氏

2020年08月20日 09:30

「縮災」の視点から日常生活に根付いた新たな文化を育てるべきだと訴える河田惠昭さん=岐阜市長良、岐阜グランドホテル

「縮災」の視点から日常生活に根付いた新たな文化を育てるべきだと訴える河田惠昭さん=岐阜市長良、岐阜グランドホテル

テーマ「多発する災害の教訓」

 岐阜新聞・岐阜放送懇談会の8月岐阜例会は19日、岐阜市長良の岐阜グランドホテルで開かれ、関西大社会安全学部社会安全研究センター長で特別任命教授の河田惠昭(よしあき)さん(74)が「多発する災害の教訓~7月豪雨と熊本地震、西日本豪雨、台風、コロナパンデミック」と題して講演。便利さやコストパフォーマンス、効率ばかりを追求している社会の現状をただし、「災害の被害を少なくしてできるだけ早く回復させる『縮災』の視点から、日常生活に根付いた新たな文化を育てるべき」と説いた。

 講演では、それぞれの災害を振り返りながら、土石流、砂防ダムやため池の決壊、バックウオーター現象など、さまざまな被害について説明。「土砂災害を引き起こしやすいまさ土が全国で2番目に多い岐阜県の場合、上空に前線が停滞した状態で雨が降ると、長良川や揖斐川などは氾濫する」と警鐘を鳴らし、想定外の豪雨に対しては、避難までのシナリオを住民が自分事としてしっかり理解して、日常の文化に避難を根付かせる必要性を訴えた。

 新型コロナウイルス禍については、「都市災害であるという理解が未熟」と断じ、人口が増えると被害が急激に増えることをデータを用いて紹介。「感染初期の段階で航空輸送、特に国際線の便数の制限と検疫の強化をしておけば、爆発的拡大を抑止できた」と述べ、今後については、都市災害の視点から「被害はネットワーク状になった経済構造の中で拡大する。今の日常はノーマルではないが、コロナ以前の社会に戻してはならない。文明を追わず私たちが持っている文化を強化すべき」とまとめた。