岐阜新聞・岐阜放送懇談会
コロナとどう向き合う<岐阜9月例会>
長崎大熱帯医学研究所教授 山本太郎氏

2020年09月18日 10:19

新型コロナウイルスとの向き合い方について講演する山本太郎さん=岐阜市長良福光、都ホテル岐阜長良川

新型コロナウイルスとの向き合い方について講演する山本太郎さん=岐阜市長良福光、都ホテル岐阜長良川

テーマ「withコロナ社会の見取り図 ウイルスとの共生の視点から」

 岐阜新聞・岐阜放送懇談会の9月合同例会は17日、岐阜市長良福光の都ホテル岐阜長良川で開かれ、長崎大熱帯医学研究所教授の山本太郎さんが「withコロナ社会の見取り図 ウイルスとの共生の視点から」をテーマに講演。世界中で蔓延(まんえん)している新型コロナウイルスとの共生ついて「社会からの根絶はできない。感染症の歴史を振り返り、どう向き合うか考えるべき」と訴えた。

 山本さんは新型コロナウイルスを重症化リスクのある他のウイルスと比較し「SARS(重症急性呼吸器症候群)ウイルスなどとは異なり、無症状感染を引き起こすため隔離による感染制御は困難なウイルス」と解説した。

 約100年前に世界中で流行したスペイン風邪を例に挙げ「当時の人口の20~30%が免疫を獲得して収束に向かった。コロナも集団免疫ができれば同じ道をたどるのではないか」との見解を提示。「感染対策を最小限にすれば感染者が一挙に増え、集団免疫獲得が前倒しされて早く収束を迎えるかもしれないが、医療など社会インフラへの影響も大きい。緩やかな流行に抑えながらの集団免疫獲得を目指し、医療崩壊を防がなければならない」と述べた。さらに「ウイルスを倒そうと意識するより、共生しながら重症者を守ることを第一に考えるべき」と呼び掛けた。

 また、中世の欧州で大流行したペストが封建社会の衰退をもたらしたと述べ「パンデミック(世界的大流行)は社会に変革を起こすことがある。コロナ禍ではテレワークやオンライン会議など、IT社会がより広まった」と話した。