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ふるさとへの便り

「端午節」無病息災願う

中国



端午節の特設コーナーが設けられ、来店客でにぎわう特産品店=中国・上海市内
端午節の特設コーナーが設けられ、来店客でにぎわう特産品店=中国・上海市内

 日本で5月5日は端午の節句「こどもの日」ですが、中国では「端午節(ドゥアンウージエ)」と呼ばれます。春節や清明節、中秋節と並び中国の4大伝統祭日とされ、今年は6月25日(旧暦の5月5日)でした。

 ただ、中国における端午節は日本の端午の節句「こどもの日」とは違います。諸説ありますが、今から約2300年前の春秋戦国時代に楚(そ)の国王の側近だった「屈原(くつげん)」という政治家をしのぶ日だといわれています。屈原は正義感の強さと愛国心で民衆の人望を集めていましたが、王が自分の忠告を無視したり、陰謀により地位を追われたりしたことにより、しまいには国の将来を憂い川に身投げをしてしまいました。それを知った民衆が川に舟を出し、懸命に彼の亡きがらを捜索した際、亡きがらが魚に食べられないように魚の餌として、蒸した米を竹筒に詰めて投げ入れたことから「粽(ちまき)」を食べる風習が生まれたといわれています。

 ちまきは、米を竹などの葉で包み、ゆでたり蒸したりすることで葉から出る灰汁が防腐剤代わりとなる保存食です。季節の変わり目で寒暖差が大きいこの時期は、病気がまん延しやすかったため旧暦の5月は「毒月」と呼ばれ、厄よけをする意味で菖蒲(しょうぶ)などを門に挿し、薬用酒やちまきを飲食して無病息災を祈念する風習も生まれました。上海市内でも、毎年この時期になるとさまざまな種類のちまきが販売され、伝統的な食料品店はちまきを買い求める客でにぎわいます。

 こういった端午節の風習は、奈良時代に日本に伝わったと考えられています。現在は新型コロナウイルスの影響で、日本と中国との人の行き来がかなわない状況にありますが、何千年も前から続く中国との交流が再び盛んに行われるよう、早期に新型コロナが収束することを願っています。

 村瀬範晃さん 早稲田大卒。1997年十六銀行入行。岐阜、愛知県内の支店を経て一昨年4月から上海駐在員事務所長。山県市出身。




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