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ふるさとへの便り

文化や規律 受容し合う

コスタリカ



整列して話を聞くことができるようになった子どもたち=コスタリカ
整列して話を聞くことができるようになった子どもたち=コスタリカ

 暑い1月末が思い出される。Tシャツに汗をかきながら、テラスで過ごす。日本では味わうことのできない冬だろう。私が赴任したのは、コスタリカのロスチレス。そこは最北の街である。見渡せば延々と続く一本道。両脇は赤土とパイナップル畑。家から一本道をバスで30分行くと、私の活動していた学校がある。学校の敷地には鉄網のフェンスに電気の通った鉄線が張られている。入り口もオートロック式で厳重な造り。そんな物々しい中で子どもたちは伸び伸びと過ごす。
 びっくりしたのは入り口だけではない。日本のような整地された土のグラウンドはなく、穴が所々に開いて、雑草が生い茂った牧草地がグラウンドである。日本のような体育館はない。「こんな場所で体育の授業が行えるのか」と心配で仕方がなかった。さらに「集合」の声を掛けると子どもたちが集まってきて私を囲む。キラキラした目と満面の笑みで「サッカーしよう、サッカーしよう」と言う。私がイメージしていた、整列して背筋を伸ばした「集合」とはまるで違った。配膳室にはおやつを食べて談笑する教師陣。話に夢中で手動のベルを鳴らし忘れることもしばしば。他にもスポーツチームを指導したが、日本の「チーム」とはまるで違う。いわゆるラテン文化というものか遅刻は当たり前、練習に来ても座り込んでしゃべっている。
 これが自分のモチベーションになった。「彼らが進んで参加するにはどうしたら良いか」。他文化の中で活動する大変さを痛感した。同時に自分の成長のチャンスだとも感じられた。1年間の活動で、お互いに良い影響を与え合うことができたと感じる。彼らの考え方を受け入れつつ、こちらの方法も学んでもらう。そんなハイブリッドが今後も生きていけば良いと思う。

 樋口諒さん 一昨年青年海外協力隊としてコスタリカ派遣、ロスチレス市スポーツ委員会に所属。土岐市出身。30歳。現在日本で教員。




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