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ふるさとへの便り

言葉で地域に溶け込む

ベナン



朝、活動先に行く道中で=ベナン
朝、活動先に行く道中で=ベナン

 ボンジュール! ベナンから日本に帰国してあっという間に1年がたとうとしています。日本で暮らしていても、さまざまな場面でベナンでの生活を思い出します。ベナンには幾つものあいさつがあります。日本ではあいさつといえば「おはよう。元気?」くらいなものですが、ベナンではその後に「よく眠れた?」「よく目覚めた?」「家族は元気?」「家は大丈夫?」「何食べたの?」「ちょっとした?(=働いた?)」「良い一日を!」といったさまざまなフレーズがフランス語や現地語で続きます。

 毎回このような長いあいさつが必ず交わされるわけではありませんが、家と活動先の保健センターの行き帰りの道中などで地域の人たちとよくこんなあいさつを交わしていました。また、外国人の私が現地語であいさつすることで地域の人たちは、「君は私たちの言葉が分かるの!?」と喜んでくれ、この地域の住人と認めてくれました。私が現地語で話せるフレーズは数少ないですが、地域の人たちとの人間関係を築くにはとても重要だったように思います。

 特に保健センターの利用者の多くを占める女性と子どもたちの中には、フランス語を話せない人たちも多かったため、乳幼児の予防接種の支援や妊婦健診での栄養指導の場において、少しでも現地語でのコミュニケーションを用いることで、より親しみを持ってもらうことができたと思います。地域の人たちと現地語でのあいさつやちょっとした会話を繰り返していくうちに、地域で暮らし始めて数カ月がたった頃には、朝、道端を歩いていたら「ボンジュール! サキ!」と地域の人が私の名前を呼んであいさつしてくれることが増え、いつの間にか私もこの地域の住人になったのだと感慨深く感じました。

 野澤咲希さん 看護師として病院勤務後、一昨年7月からベナンへ派遣。予防接種の支援や栄養指導を実施。中津川市出身。29歳。




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