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NIE アドバイザー通信

県のNIE活動展望(上)



新年の抱負を語り合う県NIEアドバイザーの(左から)細江隆一教諭、原田結花教諭、奥田宣子教頭=岐阜新聞本社
新年の抱負を語り合う県NIEアドバイザーの(左から)細江隆一教諭、原田結花教諭、奥田宣子教頭=岐阜新聞本社

「思う」教育を大事に 伊自良南小・原田結花教諭
自己肯定感を育てる 川辺中・細江隆一教諭 
柔軟にICTを活用 高富中・奥田宣子教頭 

 新型コロナウイルスの感染拡大でカリキュラムの遅れや集団活動の制限などが続く中、多くの教師が苦心しながら新聞活用に取り組み、児童・生徒の資質・能力を育んでいる。新年度からは、中学校で新学習指導要領が全面実施となり、目指す「主体的・対話的で深い学び」へ新聞活用の期待も高まる。コロナ禍の学校教育でNIEはどのように役割を担っていくのか。県NIEアドバイザーの原田結花教諭(山県市立伊自良南小)、細江隆一教諭(加茂郡川辺町立川辺中)、奥田宣子教頭(山県市立高富中)から、2021年の展望を聞いた。

 -年頭にあたり、NIEアドバイザーとしての抱負をお願いします。

 原田 国のGIGAスクール構想が前倒しとなり、本年度末までに、タブレット端末が小中高校生全員に配布される。タブレット端末で気になる記事を撮って朝の会の話題にしたり、記事を使った討論の中で端末で意味を調べるなど、新聞の良さとICT(情報通信技術)機器の機能を活用したハイブリッド型の実践を提案できないかと考えている。

 奥田 教育には変えてはいけないことがあるが、新しい機器を使いながら、柔軟に指導できると良い。日常的に機器を使って、新聞を知らない子たちが新聞を知り、事実を元に考え、討論し、自分の考えを皆に伝える交流を図りたい。

 細江 昨年に続き、NIEで自己肯定感を育てたい。コロナ禍でいろんな情報が飛び交い「インフォデミック」(うわさやデマを含む大量の情報の氾濫で社会に影響を及ぼすこと)だといわれる中、子どもの生きる力を養うため、情報をうのみにせず、情報の正しい見方を教えたい。

 -ICT活用の中でNIEの役割は。

 原田 タブレット端末は、学習のための一つのツール。使うことだけにエネルギーを注ぐのではなく、機器を生かして意見や情報の交流をし話し合うことが必要。端末を配布したからできるようになるものではなく、子どもたちに教えなければ交流や考えを深めることはできない。根拠を元にしたり、他者の意見を聞いて考えさせたりと、教えることはこれまでと変わりなく、日常的にやらなければいけないと、改めて思っている。

 奥田 機器の機能を使うだけでなく、活用する能力を身に付け、技能にする必要がある。端末を使って、いかに子どもたちの学ぶ能力を伸ばすか。そこには可能性もある。新聞部の子どもたちが製作した新聞は見出しに、「ムーブ」や「新技術」などのメッセージが込められたキーワードがあり圧倒された。今だから、こういう言葉が出てきた。

 細江 ICTを目的とするか、手段にするかは大きな問題。僕は、半々のハイブリッドでいかないと駄目ではないかと考えている。文科省は新学習指導要領で、子どもに「思考力」「判断力」「表現力」を付けたいとしているが、考えるための情報収集はICTを活用し、頭で考え判断して表現するのはアナログじゃないといけない。そこで目的と手段の取り違えがあると、教育は成立しないのではないか。

 原田 昨年のNIE全国大会で、元新聞記者で作家の真山仁氏が、多くの若者は新聞を読まず他者の意見にのっかるだけと講演したが、結構ショッキングだった。どうして、なぜ、おかしいじゃないかと思うことがなかったら、端末を使っても駄目。思う部分の教育をもうちょっと大事にしないと、いろんな物を与えて、受け身になっている気がする。



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