新学期に入り活動を始めた新聞部員=山県市高富、高富中学校
気に入った記事を切り取る1年生部員=同

県NIEアドバイザー・原田結花山県市立高富中教諭

 新年度、部活動の勧誘に、本校の新聞部の部長が次のように話しました。

 「新聞部では、新聞の切り取り作品作り、日々の新聞の掲示などをしたりします。切り取り作品は、テーマに沿った記事を集める、線を引く、意見や感想を書いてまとめるなどをして、1枚の壁新聞を作成します。集める新聞記事は、自分が興味をもったもの、意見をもったものを、自由に選べます。そうした記事から作品を作ります。活動場所は、静かに新聞を読める環境が整っています。新聞を読むと友達との話題が増えるし、感想を書くことによって高校入試の国語力が身につきます。ふだん新聞を読まない人もいると思いますが、新聞部に入り、何気なく見ているニュースを深く知り、新たな意見や考えを持ってみませんか」

 1週間分の2社の新聞をもとに、最近の話題を話し合ったり、黙々と自分の関心のある記事を探し読んだり、日々の新聞部は静かな部活動を行っています。それでも充実感があるようです。

 昨年度は、学校内の昇降口の掲示板に、毎日の新聞のトップ記事を貼ることを継続していました。校内では、継続的に新聞を読む習慣を身につける活動が行われていないので、この掲示はちょっとした時間に生徒たちがごく自然に新聞を読むよいきっかけとなったように思います。本年度は、新聞部の1年生にその活動をまかせたいと思っています。さらに、新聞記事から考える活動から、発展させて、意見を投稿する発信もできたらと話し合っています。

 これから中学では、宿泊研修に出かけます。研修後には、研修で学んだことを新聞形式にまとめます。書く記事の分担を決めたり、取材の方法を考えたり、研修前から考えておくと研修新聞も中身の濃いものになります。また、まとめる際には、見出しや構成をグループで話し合ったり、記事を推敲(すいこう)するなどするとよいでしょう。仲間で新聞学習を進める、新聞部の活動と通じるものがあります。

 県立高校の予算に1校あたり4紙分の図書館用新聞の購入費が盛り込まれました。小中学校においても、各自治体において予算化がされ、どの子にも新聞で学ぶ機会が増えていけばと願うこの頃です。