新聞を使った取り組みを紹介する原田結花教諭=山県市高富、高富中学校
新聞を使った授業を体験する初任者の教諭ら=同

県NIEアドバイザー・原田結花山県市立高富中教諭

 6月の初め、新規採用の先生2人に、NIEの講義をする機会を得ました。ネット世代の2人ですから、当然、ニュースは新聞から得るものではありませんし、日々の忙しさからほとんど新聞を手に取る時間もなかったようです。そこで、私は、新聞を読むことが最も簡単な生涯学習であり、学級経営や道徳に役立つことを紹介しました。国語と英語の先生でしたので「教科でも簡単に導入部分に新聞記事を使えるよ」と、具体的な紙面を提示し話しました。

 さて、夏休みが始まりました。家庭で簡単に新聞活用を始めてみませんか。その方法を紹介します。

 家庭で新聞購読をしておれば、朝、届いた朝刊を取りに行くのを子どもの仕事にしましょう。今日の天気やテレビの番組欄を確かめましょう。天気は、洗濯のお手伝いを頼むのと合わせるといいですね。各地の最高気温と最低気温を計算するのもいいですね。番組欄は、見たい番組に印を付けましょう。家族で一緒に見たい番組も見つかるかもしれません。

 次に、その日の新聞から、後で切り取りたいところに印をつけましょう。例えばお母さんに頼まれている料理の記事、お兄ちゃんに頼まれている教科のクイズなど。家族が依頼しておくと、たくさんの紙面を見ることになるでしょう。

 小学校高学年から高校生ぐらいの皆さんなら、コラムや1面の「分水嶺(れい)」(岐阜新聞)など各新聞社のメインの欄を写し書きするのを勧めます。小論文や作文の練習になりますよ。決まった文字数で、伝えたいことを書く。相手を引き付けるために、例えに格言が書いてあったり、歴史上の人物の逸話があったり、書きぶりも勉強になりますよ。毎日続けるなら、専用のノートや用紙を用意するといいでしょう。時には時間を計って、書くのもよい訓練になるでしょう。

 1面の記事だけ、毎日、集める。心に残った新聞記事をノートに張って、簡単なコメントを書く。それだけでも、毎日続ければ夏休みの一研究として完成しますよ。何よりも確かな力になりますね。

 学習のあり方や受験の方法とか、変化がどんどん起きていますね。自分の考えを持ち、話したり、書いたりするには、それなりの事実を知り、根拠を持っていないといけません。そうした力は、問題集では養えないと思います。

 皆さん、夏休みがチャンス。始めてみてくださいね。ちなみに、私は小学校1年生になった孫と新聞カルタを作ります。