朝の活動で、新聞記事を選ぶ図書委員の児童ら=山県市大森、伊自良南小学校

山県市立伊自良南小教諭 原田結花

 子どもから大人まで、コミュニーケーションをうまくとることができるスキルとして新聞を読むことをお勧めします。

 ある日の職場での私の会話。「"鶏ちゃん"の名前の由来が新聞に載ってたよ」「○○牛乳がコラボしたエクレアが絶品」と栄養士の先生に話す。「『二平方メートルの世界で』という本が紹介されてたよ」と司書の先生に。どれも、新聞から得た情報を基に実際に調べたことも合わせ、話題が広がります。

 それでは、子どもたちとは、どんなふうに新聞を通しての会話をしているのでしょう。

 1例目は、図書委員会。毎朝、当番の子が2人、それぞれ目に留めた新聞記事を切り抜き、簡単に感想を書き、壁に貼ります。この活動を2年続けている6年の河合遙音さんは、こう感想を話しています。「初めは、難しく感じてたけれど慣れてきました。最近では1年生の子が読んでくれるような動物の記事とかを探して貼るようにしています。見ててくれるとうれしいです」

 2例目は、6年生3人の個人学習です。1人には、新聞の話題について放課後、簡単にコメントを聞きます。2人は、私の選んだ新聞記事をノートに貼り、コメントを書いてくるという学習をしています。関心を持ってくれた子に、その子に合った方法で新聞学習を勧めています。

 「何か、心にとまる記事はありましたか」と毎日尋ねるだけですが、毎日、その受け答えが楽しくもあり、私自身の学びでもあります。毎日コメントを書いてくる1人は、夏休みにお母さんと新聞記事を読み、話し合い、感想をまとめました。志村けんさんの銅像の記事でした。詳しく調べたり、話し合ったりすることで、志村さんの人生まで語るそのまとめに感動しました。

 このように、新聞を使ったコミュニーケーションは、事実に基づく質の良い話題になるので、子どもたちにもぜひ勧めたいです。近年、ネットいじめが問題となっていますが、子どもたちの話題の少なさもその一つの原因ではないでしょうか。タブレットを持っても、自ら調べた話題がないと話は弾みません。

 さあ、あなたは、今朝は何を話しますか。