新たながん治療に期待《東濃4月例会》
初代厚労相、東京医科大特任教授 坂口力氏
◆テーマ「がんとどう向き合うか~がんサバイバーから伝えたいこと」
岐阜新聞・岐阜放送東濃懇談会4月例会は18日、多治見市白山町のオースタット国際ホテル多治見で開かれた。初代厚労相で東京医科大特任教授の坂口力氏が「がんとどう向き合うか~がんサバイバーから伝えたいこと」と題して講演。日本や米国でがんの新たな治療法の研究が進んでいることに触れ、「がんは人生の終わりではない。完治する治療法の足音が聞こえてきた」と期待感を語った。
坂口氏は三重県赤十字血液センター所長を経て1972年に衆院選で初当選。2001~04年に初代厚労相を務めた。自身も大腸がんを患った経験があり、適切な医療を求めて病院を転々とする"がん難民"問題や健康寿命についての研究を続けている。
講演では、米国でははり・きゅう、瞑想(めいそう)といった代替治療が効果を発揮していると説明し、「日本では代替治療は医療じゃないと言われるが、がんは薬や手術だけで簡単には治らない。瞑想などでストレスをなくすことが、免疫力を高めることにつながる」と訴えた。
がん細胞に近赤外線を照射し穴を開ける「光免疫療法」、がん抑制遺伝子をがん細胞に入れる「がん遺伝子治療」など最先端医療を紹介した。
一方で増え続ける医療費に懸念を示し、先進医療に必要な条件の一つに「医療財政を圧迫しない治療の確立」を挙げた。「日本は西洋医学一辺倒。代替医療は余分だと考える医療関係者が多すぎる。政府がこれを変えないといけない」と持論を述べた。