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岐阜新聞・岐阜放送懇談会

一杯が自然や伝統守る<岐阜6月例会>

日本酒と食のジャーナリスト 山本洋子さん



「純米酒を飲むことが地域の自然や環境、伝統産業を守ることにつながる」と話す山本洋子さん=岐阜市長良福光、都ホテル岐阜長良川
「純米酒を飲むことが地域の自然や環境、伝統産業を守ることにつながる」と話す山本洋子さん=岐阜市長良福光、都ホテル岐阜長良川

◆テーマ「1日1合の純米酒が地域を醸す」

 岐阜新聞・岐阜放送懇談会の6月岐阜例会は17日、岐阜市長良福光の都ホテル岐阜長良川で行われ、日本酒と食のジャーナリスト山本洋子さんが「1日1合の純米酒が地域を醸す」をテーマに講演した。「日本酒の中でも、米と米こうじと水だけで醸造された純米酒を飲んでほしい。米の消費につながり、農業や林業、窯業など日本酒に関わる周辺の伝統産業や自然環境を守ることにもなる」と話した。

 山本さんは、雑誌編集長時代から、素食や玄米雑穀など日本古来の食、米の酒である日本酒の魅力などを紹介。現在も雑誌で新日本酒紀行の連載をしている。

 「1日1合の純米酒!」をモットーとする理由として、精米歩合70%の純米酒1升を造るためには玄米1キロ、同50%の純米大吟醸を造るには玄米2キロが必要と説明。「純米酒を飲むことが米余りによる減反の解消になる」と強調した。また「岐阜県にはひだほまれという酒米、県土の8割が森林で清らかな水、県オリジナルの酵母もある。地域の特色ある米の酒を楽しんでほしい」と呼び掛けた。

 日本酒は、こうじの酵素で米のデンプンを糖分に変え、酵母が同時に糖分をアルコールと炭酸ガスに変える世界でも珍しい高度な発酵技術で造られていると紹介。日本酒にも醸造アルコールを加えた本醸造と、純米酒の2系統があるとして「飲むのなら、作り手が見える米と米こうじ、水だけで造った純米酒を飲んでほしい。日本酒を飲むことは日本を守ることにもつながっている」と語った。

 具体例として、国産の天然杉で一つ一つ職人の手仕事で作られたこうじぶたは林業を支え、徳利や杯は美濃焼などの窯業や漆業に貢献しているとした。「岐阜の皆さんは、岐阜県の酒米で醸した純米酒で乾杯を。酒蔵が地域や伝統の未来をつなぐ」と締めくくった。