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東京五輪2020県勢紹介

2020に懸ける(4) ボクシング男子 田中亮明選手(2020年1月5日掲載)



  • 初めての五輪出場に近づいている田中亮明選手。「4年前よりも成長している。東京では金メダルを取るつもり」と意気込む=瑞浪市土岐町、中京学院大中京高校 
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◆拳に自信、闘志燃やす スタイル確立「金狙うだけ」

 「4年前の自分と戦えば、絶対に今の自分が勝ちますよ」と成長に自信を見せる。昨年11月、全日本選手権52キロ級を制し、東京五輪の出場が懸かる2月のアジア・オセアニア予選への出場権を手にした田中亮明選手(26)=中京学院大中京高教=。弟はWBO3階級王者の恒成選手(畑中、中京学院大中京高出)。大みそかに圧倒的な強さで3回KO勝ちし、フライ級3度目の防衛を果たした。亮明選手は母校の中京学院大中京高で教員を務め、弟とはプロとアマと立場は違うが、2020年は共に世界の頂点が舞台の勝負の年。「金メダルしか見えていない」と気持ちを高ぶらせる。

 前回のリオデジャネイロ五輪に向けては、15年にプレ大会で優勝したが、16年の世界最終予選で敗れ、惜しくも出場を逃した。「勢いだけだった。パンチが当たらなければ負けのスタイルだった」と振り返る。

 17年はモチベーションを保つため「減量はもちろん、純粋に体を鍛えて強くなりたかった」と、フライ級からバンタム級へと階級を上げた。多彩な相手との対戦を積み重ねたことで、「足を使ってストレートを当てつつ、体格の有利な面を生かして戦うなど、どんな相手にも勝ちパターンをつくれるようになった」とスタイルを確立させた。

 昨年8月には「7、8年ぶりぐらい。互いに実戦形式でできる相手がいないので」と恒成選手とスパーリングで拳を交わした。互いに隙を見てはストレートを打つ激しい展開に「さすがに強い。楽しかったし、良い経験になった」と手応えをつかむなど、順調に調整を重ねた。

 「負けたら引退」と臨んだ全日本選手権。恒成選手がリングサイドで見守った決勝で、常に先手で仕掛けてくる相手に「動きは予想できていた。手数で圧倒されないように」と体やパンチの向きを意識し、足を使ってカウンターを狙い続けた。ジャッジの判定は亮明選手の29―28が3人。ビデオ判定の末に接戦をものにし「名前が呼ばれたときは力が抜けた。今までの優勝の中で一番うれしかった」と笑みをこぼした。

 東京五輪では男子6階級のうち開催国枠は4。だが2月のアジア・オセアニア予選(中国)や5月の世界最終予選(フランス)で上位に進み「自力で出場枠を勝ち取りたい」と語気を強める。恒成選手は4階級制覇を狙う年でもあり「自分も負けないよう金メダルを狙うだけ」と闘志を燃やす。兄弟で始めたボクシング。才能にさらに磨きをかけ、リングの中央で喜びを爆発させる日が楽しみだ。


 たなか・りょうめい 中京高(現中京学院大中京高)と駒大では種別をまたぎ国体4連覇を達成。昨年の全日本選手権で優勝し、2月の東京五輪予選の出場を決めた。母校で監督を務める。多治見市出身。1993年生まれ。