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ぎふ清流国体 ボクシング 田中兄弟、最強V2 成年・少年、ライトフライ級(2012年10月9日掲載)



  • 判定勝ちを収めた成年男子ライトフライ級の田中亮明=岐阜産業会館 
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 成年男子、少年男子の計14階級の決勝を行い、成年男子ライトフライ級の田中亮明(駒大、中京高出)、少年男子ライトフライ級の田中恒成(中京高)がともに2連覇を飾った。

 田中亮は小刻みなフットワークを使い、接近戦に持ち込みたい相手をかわし、9―8の判定勝ちを収めた。田中恒は右ストレートからの連打を効果的に繰り出し、第3ラウンド18秒でRSC勝ちを収めた。

【Vストーリー】
◆ライバル心と固い絆で成長

 兄弟旋風がライトフライ級を席巻した。少年男子の弟・田中恒成(中京高)、成年男子の兄・田中亮明(駒大、中京高出)は、ともに国体2連覇を達成した。

 努力型の兄と天才肌の弟。常に一番近くにいたライバルだった。練習でのランニングも別々に行うなど、互いを意識し続けてきた。「あいつが優勝した大会は絶対に勝ちたい」と亮明。

 半面、互いの存在を「日本一を目指す同志」と認め合ってもいる。亮明にとっては高校時代、準優勝止まりと涙をのんだインターハイ。一番身近にいた弟が、今年のインターハイを制し兄の無念を晴らした。その時会場で、勇姿を見届けた亮明は「自分も負けていられない」と奮起した。

 この日も先に2連覇を達成したのは恒成。「最初から飛ばす」と意気込んで臨んだ決勝は、右ストレートからの連打が相手を的確にとらえ、第2ラウンド終了時点で12―5と大量リード。「一気に決めてやる」と第3ラウンド開始18秒の連打で相手がぐらつき、RSC勝ちを収めた。

 周囲の兄弟Vへの期待が高まり、プレッシャーがかかる中で亮明は決勝に立った。「今度はおれの番だ」と。しかし「弟がすっきり勝ったことで自分に対して過度にプレッシャーをかけてしまった」と動きに切れがなかった。またワンツーが得意な亮明に対し、距離をつぶす作戦できた相手に付き合ってしまい、第1ラウンド終了時には3―3と苦戦を強いられた。

 「きれいに勝つことは捨ててとにかく勝つんだ」。第2ラウンド開始のゴングとともに気持ちを切り替えた。軽いフットワークを生かしてワンツーを決めるなどし、最後は9―8で判定勝ち。

 セコンドについていた恩師の石原英康監督(中京高教)は「5年前、ボクシングジムで競い合うように練習していた2人が、ここまで切磋琢磨(せっさたくま)し合って成長してくれるとは」と目を細める。固い信頼の絆で結ばれた最強兄弟が、最高の輝きを地元で放った。