多治見市のウナギ店、なが~く愛されるワケは?

2018年08月28日 08:08

ウナギを焼く村手洋之さん。多治見の土地柄がウナギ料理のメニューにも表れている=多治見市本町、老鰻亭「魚関」

ウナギを焼く村手洋之さん。多治見の土地柄がウナギ料理のメニューにも表れている=多治見市本町、老鰻亭「魚関」

 国内屈指の暑いまち「多治見市」。市内にウナギ料理店が多いのは、夏の暑さに加え、地場産業の窯業関係者のスタミナ源として重宝されたから-。よく言われている理由だが、本当にそれだけなの? 料理店の店主に話を聞くと、多治見ならではの別の理由が見えてきた。

 市内の土岐川沿いに店舗を構える老舗料亭「魚関」の4代目主人の村手洋之さん(51)によると、市内でウナギ料理を出す店は少なくとも20店舗以上あるという。

 市内でウナギ料理が好まれている理由を、「スタミナ食としての意味合いもある」としつつ「多治見は陶器商の多いまち。ウナギは、商談やお礼をする料理として、かっこうの食材」と説明する。海から離れた多治見市では、川魚、とりわけウナギはささやかなぜいたく品として扱われ、陶器商がウナギ料理を接待に用いるようになり、店の数が増えたようだ。

 また市内では、「うな重」よりも「うなぎ丼」をメインに出す店が一般的。魚関はうなぎ丼は半、並、上の3種類をそろえているが、うな重はメニューにない。焼き物の町として陶器を大切にする文化に加え、商談時の食事では「どんぶりの方が手早く食べられ、それだけ、話し合いに時間を費やせるから」という。

 多治見陶磁器卸商業協同組合理事長の竹内幸太郎さん(69)は、ウナギ料理店でお客さんとの食事が伝統になっていると説明。「お客さんから二言目には『ウナギが食べたい』という言葉が出てくる。陶磁器会社にはそれぞれ行きつけの料理店があって、連れて行くと喜ばれるんだよ」。ウナギ料理は陶器商の大切な商談材料として一役買っている。

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