【釜戸駅】美化活動に取り組む住民 木造駅舎いつまでも

2018年08月29日 09:17

「地域にとっても、自分にとっても大切な駅」と語る後藤忠則さん=瑞浪市釜戸町、JR釜戸駅前

「地域にとっても、自分にとっても大切な駅」と語る後藤忠則さん=瑞浪市釜戸町、JR釜戸駅前

 築100年以上を誇る釜戸駅(岐阜県瑞浪市釜戸町)の駅舎は、中央線で最も古い駅舎の一つ。1902年の開業以来、屋根をふき替えたほかに大きな修理はなく、県内の中央線に残る数少ない木造平屋の駅舎だ。そんな駅舎を見守り続ける後藤忠則さん(71)=同所=は「木造の駅舎が衰えを見せていないことは住民の誇り」と胸を張る。

 後藤さんは、駅舎を後世に残そうと、住民の立場から美化活動に取り組む。市社会福祉協議会釜戸支部長を務めた際、福祉活動の一環として釜戸駅の清掃活動を初めて行った。正月恒例の駅前に飾る門松も、竹が駅舎の屋根に達する約3メートルの長さへと変更し、駅の雰囲気を盛り上げた。

 今も住民によるシルバーボランティアで、駅舎を雑巾がけするなど清掃活動に汗を流している。

 時代は変わり、人口減少や車社会を受けて、釜戸駅は現在、地元住民らが切符の販売業務を行う簡易委託駅となっている。それでも「地域に駅は必要。名古屋まで1時間ほどで行くことができ、イベントがあると数千人の利用客もいる」と話す。

 後藤さん自身も「青春18きっぷ」を使って釜戸駅から日本各地へ旅行を楽しんでいる。20年ほど前から、年3回発売されるこのきっぷを必ず購入。決まって始発電車に乗り込むという。来月には、距離と所要時間ともに自身最長となる博多駅まで、丸一日かけて向かう計画を立てている。

 「地域にとっても、自分にとっても大切な駅。これからも見守り続けたい」と発車する列車を見送った。

 岐阜新聞社は「地方創生~チカラは地から~」をテーマに、県内各地で移動編集局を展開している。第4弾は東濃5市の魅力を伝える。

 美濃焼、地歌舞伎、山城、地酒、そして近未来のリニア中央新幹線―。山々に囲まれた東濃地域は、豊かな自然が育んだ歴史や伝統、ものづくり、食が多彩な輝きを放ち、多様な文化が交差する「宝箱」だ。