恵那、中津川で段ボール産業が発展...なぜ?

2018年09月01日 10:04

ラインで続々と製造される段ボール=恵那市長島町、協和ダンボール

ラインで続々と製造される段ボール=恵那市長島町、協和ダンボール

 主に岐阜県恵那、中津川市の地場産業として発展してきた段ボール産業。国道19号沿いには、段ボールメーカーの工場が立ち並ぶ。なぜ段ボール工場が多いのか。調べてみると、国内有数の陶磁器産地との密接なつながりが見えてきた。

 まちなかに立つ製紙工場の大きな煙突ともくもくと上がる煙。恵那市民の誰もが思い浮かべる恵那の代表的な景色だ。同市大井町にある製紙大手の王子マテリア恵那工場、かつての東証1部上場の中央板紙の恵那工場だ。

 諸説あるが、恵那、中津川市に原紙メーカーの集積が進んだことで、段ボールメーカーの創業が相次いだとみられる。日本製紙連合会発行の2013年の年報によると、近代的製紙業の立地条件は▽製紙に必要な豊富な水▽木材チップ、パルプ、古紙原料の確保が容易▽製品出荷の便が良い―の三つ。両市がぴったりと当てはまったという見立てだ。

 恵那市内だけで製紙メーカーは、王子マテリア恵那工場や東栄製紙工業など5事業所を数える。段ボールシート製造や段ボール加工の業者を合わせると市内に31事業所もあり、国内の商工会議所で唯一、紙業部会がある。中津川市にも原紙メーカーの王子マテリア中津川工場がある。

 段ボールシート製造・加工を手掛ける協和ダンボール(恵那市長島町)の髙木良直社長は「高度成長期にかけ、陶磁器産業は大きな市場だった。この東濃の20キロ圏内で、原紙メーカーから販売先まで、いわば川上から川下まであり、完結できた」と語る。

 陶磁器の流通量の減少もあるが、多治見陶磁器卸商業協同組合は「昔も今も店舗などへ卸す際は段ボール。運びやすいし、なにしろ頑丈だ」と輸送用資材としての段ボールの変わらぬ優位性を強調する。

 岐阜新聞社は「地方創生~チカラは地から~」をテーマに、県内各地で移動編集局を展開している。第4弾は東濃5市の魅力を伝える。

 美濃焼、地歌舞伎、山城、地酒、そして近未来のリニア中央新幹線―。山々に囲まれた東濃地域は、豊かな自然が育んだ歴史や伝統、ものづくり、食が多彩な輝きを放ち、多様な文化が交差する「宝箱」だ。