高校生ダイアリーロゴ.jpg

恵那南高校は2016年に、恵那市と同市で和洋菓子製造・販売を営む恵那川上屋と連携協定を締結。以降、3者連携による地元の食材を生かした6次産業化を学ぶことに力を入れています。本年度も同校の総合学科ビジネスと観光系列の3年生が、恵那市の栗やイチゴ、トマトなどを使った地産地消のオリジナルスイーツを考案。恵那川上屋に商品化してもらい、販売につなげられるよう頑張っています。

趣向を凝らした10種のケーキはどれも美味しそう

恵那南高校の6次産業学習の歩み

 恵那南高校の生徒たちが、栗の栽培から加工販売まで携わる6次産業化を学び始めて今年で7年目を迎えます。2018年度からは、生徒が考案した栗スイーツを恵那市内の飲食店などで地元住民に提供。一昨年度と昨年度はコロナ禍のため、飲食店での販売・提供をやめ、地元食材を活用した生徒考案のケーキを、同校の駐車場でテークアウト形式で販売しました。

 昨年度は栗の他に初めてイチゴやトマトを食材に加えてスイーツを完成させました。ビジネスと観光系列の3年生(22年卒業)23人が改良を重ね、厳選した10種を考案。イチゴと栗のクレープ、トマトと栗のチーズケーキ、南高モンブランなど1箱2500円で販売しました。

 これまでの主な活動を振り返ると、18年度は活動3年目を迎えたことで学習内容の向上を目指し、栗きんとんのマカロンや大福など10種類の栗スイーツを考案。1、2年生が栗の加工、3年生が商品企画に取り組みました。9月に恵那市の栗園で栗を収穫。10月には明智かえで祭り、恵那市まちなか市で販売実習を行いました。

大好評だった「恵那南カフェ」接客も楽しい!

 年明けの2月に大正村浪漫亭でイベント「恵那南カフェ」を開催し、栗スイーツを店頭で提供。当日、生徒たちはケーキと飲み物を来客者のもとへ運び、素材や特徴を紹介しました。これらの活動が高く評価され、18年度「地産地消等優良活動表彰」の教育関係部門で農林水産省食料産業局長賞を受賞。食に関する系列コースを持たない総合学科の恵那南高校が受賞するという快挙を達成しました。

  
地産地消等優良活動表彰での受賞の報告に恵那市役所を訪れた、恵那川上屋の鎌田真悟社長(左から2人目)と恵那南高校の生徒ら(2018年11月)

 19年度は受験生応援グッズとして戦国時代の携帯食に着眼し、チョコレート菓子「しみチョコ勝ち栗」を発案。恵那川上屋と共同開発し、栗のパウダー入りクッキーをチョコレートでくるみました。

 昨年度から6次産業学習の中にリンゴを取り入れ、ビジネスと観光系列の3年生が、アケチりんごパークのりんごを使った商品を提案することに。完成した商品を12月5日の朝市で、大正浪漫亭から販売しました。

3年生のこれまでと本年度の取り組み

 現在の3年生は2年時にリンゴの摘果を経験。リンゴについて詳しく学んでいます。最終目標は年明けの2月に、地元で生徒による「恵那南カフェ」を3年ぶりに開催(◎場所は「庵道カフェ」を予定)し、リンゴの他に栗、トマト、イチゴなど地元の特産品を使ったスイーツを提供します。

 スケジュールは5月にリンゴを摘果し、9~10月に収穫。同時進行で商品化への計画を進め、7月に恵那南高校で恵那川上屋の商品開発メンバーを前に、ビジネスと観光系列の3年生14人が、自分たちの作りたいスイーツのプレゼンを行いました。栗をメインとしながら、地元産のイチゴやリンゴ、トマトを組み合わせたメニューを生徒が考案。「栗とリンゴのティラミス」「いちごと栗のマカロンケーキ」「栗いちごまん」「栗とトマトのキッシュ」などバラエティ豊かなラインナップとなりました。

地元農家さんの協力でリンゴの摘果を体験

 12月には昨年同様、商品を加工するために地元のおんさい工房で生徒が開発した商品を販売する予定です。2016年度から6次産業学習を担当している小島光示先生は、生徒たちに「1次産業(農業)や2次産業(加工)に従事している人たちから学ぶことで地域の産業を知ってもらい、自分たちの将来に生かしてほしい」と願っています。
 

薮下唯人さん(総合学科ビジネスと観光系列 3年)

将来は商売に携わりたくて、生産から販売までを学べるビジネスと観光系列を選択しました。昨年はアケチりんごパークでリンゴの摘果を経験し、恵那市の特産物がどのように生産されているかといった1次産業について学び、今年は、販売について勉強していきます。(商品化は)貴重な体験となるので、買ってくださるお客さん全員が喜んでくれる商品を作りたいです。
 

熊崎瑠華さん(総合学科ビジネスと観光系列 3年)

今年もリンゴの摘果に行き、その後におんさい工房(恵那市)で商品開発に取り組みます。2月に地域の人たちに向けて商品を販売することになるので、いい物を提供できるようにしたいです。歴代の先輩たちが手掛けてきた商品を見て学んで生かして、自分たちの商品開発につなげたいです。写真映えして、幅広い世代に受け入れられる商品ができたらと思います。