従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する「健康経営」に取り組む企業が県内でも増えてきています。

 「ぎふ健康づくり応援プロジェクト」では、健康経営に積極的に取り組む企業をシリーズで紹介していきます。

2022年10月5日掲載

株式会社 植倉造園(大垣市)
造園工事・庭園管理

お互いを気遣う環境を醸成、社員の健康意識向上を図る

 健康経営に取り組むようになったきっかけを、川瀬泰孝代表取締役は「会社として従業員の生活面における節制の必要性を感じた」と振り返る。経済産業省の「健康経営優良法人2022」に認定され、その思いは強くなっている。

 給与明細書を渡す際には、食事や睡眠のアドバイスなどが紹介された健康に関する資料を同封。従業員の健康意識向上を図る。毎朝の朝礼では、お互いの状況を気遣う雰囲気が醸成されるように配慮。10代と70代が共に現場で働く職場ということもあり、コミュニケーションをしっかり取ることを大事にしている。

 禁煙対策にも注力。喫煙室を社外に設けて分煙化を図ったことで、喫煙者が減少した。夏場の暑い時期には、熱中症対策として塩分を補給するアメを支給するなどして、従業員の体調管理に気を配る。

 川瀬代表取締役は「会社が健康経営に取り組むことで、自分の家族の健康についても考えるようになった従業員もいる」と成果を実感している。従業員から健康に関するアンケートを取り、各自の状態を把握することで個々に合った健康対策を練るなど、今後の改善にも意欲的だ。

 「まちづくりとして緑豊かな環境と空間を提供することが自分たちの仕事。長く培ってきた技術を最大限に生かして、地域にも貢献していきたい」と語る川瀬代表取締役。「常に健康な状態でいることが大事。精神面でも満足感が得られるようになってくれれば」と願い、より良い職場環境の形成を目指す。

【会社概要】
■本社/大垣市南若森町823-3 ■創業/1912(大正元)年 ■設立/1988(昭和63)年4月 ■代表者/代表取締役 川瀬 泰孝 ■従業員数/15人(男性14人、女性1人)

 

株式会社 臼田工業(関市)
精密部品加工、専用機の設計製作

社員の健康に配慮する多様な取り組み、野球部が他部署との交流を促す

 経済産業省の健康経営優良法人に昨年から2年連続で認定された臼田工業は、認定前から精力的に健康経営に取り組んでいる。物置部屋となっていたスペースをリニューアルし、テレビやマッサージチェアを置くなどして、社員が自分の好きなタイミングで休憩を取れるリラックスルームを作った。

 社員が運動しながらコミュニケーションも取れるようにと、野球部を創部。部員として練習や試合に参加している臼田勲社長は「部員の大半が初心者。野球の経験の有無に関係なく、楽しく活動できている」と言う。体を動かすだけでなく、部署の垣根を越えて交流を図れる場にもなっている。

 社内の食堂にはウオーターサーバーが設置されており、メニューの献立表を掲示。社員の健康の目安に、献立表にはメニューのカロリーが表示されている。8月31日の野菜の日には、社員に野菜を取るよう促す。総務部の加藤正義部長は「食事面での健康意識を高めてもらうために、減塩調味料を常備している」と話す。

 デスク作業の多い社員には、いすの他にバランスボールを提供。ずっと座った状態では腰に負担がかかると気を配り、立った状態でも作業ができるようにと、机を上下できる昇降機も導入した。

 加藤部長は「運動の専門講師を招くなどして社員が体を動かす機会をもっと増やしたい。食事面でのサポートにも力を入れていく」と意気込む。臼田社長は「社員は家族。これからも社員を守り続けていきたい」と言葉に力を込める。

【会社概要】
​■本社/関市のぞみケ丘20 ■創業・設立/1980(昭和55)年1月 ■代表者/代表取締役社長 臼田勲 ■従業員数/41人(男性33人、女性8人)

 


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